番外

 の山

2008/3/2  黒滝城址 標高246m 弥彦村
今年は春が遅い。
と、いうよりも、昨年の春が早すぎた。昨年、この黒滝城址に登ったのは、なんと2月の日曜日である。昨年は2月でかなりたくさんの雪割草が咲いていた。(2007年の黒滝城址の様子はこちら
しかし、今年はどうだろう。
寒い。
しかも、遠くに見える弥彦山塊はところどころ白い。
これじゃあ雪割草は期待できない。
それでも、我々は手近な雑木林を探していた。
というのも、とある山の雑誌を読んで、我々にはツエルトという緊急時用の簡易テントにもなる防水布が必須アイテムであると痛感した。ので、さっさとネットで買ってしまった。買ったからには広げて試してみないわけにはいかない。だが、まっ黄色なそれを広げる場所はなかなか無い。
どこがいいか考えたあげく、思いついたのが黒滝城址だったのである。雪が見え隠れする状態で黒滝城址に登ろう、なんて人はまずいないだろう。あそこなら適度に杉なども生えているので、ツエルトを張るにはちょうどよいはずである。
この季節であれば、運がよければ気の早い雪割草くらいみつけられるかもしれないし。
そんなこんなで、今回は、ツエルトの試し、ということで黒滝城址へと向かった。

国上山、黒滝城址の詳しいイラスト地図は、弥彦観光協会のホームページで見ることができます。
例によって、実にのんびりと出発。黒滝城址に向かう道に到着したのは午前11時少し前である。
左の写真は黒滝城址に向かう時に自動車から撮影した、この日の弥彦山塊。赤い矢印あたりが黒滝城址。左端は国上山、右の白いふたこぶは、弥彦山と多宝山、右端に連なっているはずの角田山は写真から切れてしまっている。
県道440号麓野積線は真面目にきっちりと3月末まで通行止めである。
葉っぱや小枝などがちらかる道を歩くと、時々雪割草の特徴的な葉っぱをみつけることができる。
オウレンが咲いているのをみつけて、少しびっくり。
南沢沿いの道に入ると雪が残っていた。
時折崩れたらしい土砂が道をふさいでいる。
仮にエンレイソウ平と呼んでいる場所は真っ白だった。
ツバキも時折蕾をみつけられるくらいだ。
蕪菁(かぶら)の滝。
この滝は、上段の滝つぼがハート型をしているので、お気に入りだったりする。
一本滝。
さすがに雪解けである。水量はやや多い。
これは、無名滝。
最後の堰堤を登ると、また少し岩盤が崩れた場所になる。そこに雪が積もっていたので、歩くのがちょっと怖い。
箱滝。
ちゃんと上段が三条になっていた。
今回はスパイク長靴で行ったので、すべりがちな南沢の沢の中や雪の上でもほとんど心配なく歩くことができた。
南沢と黒滝城址への道の分岐点に来た。
が、入り口よりも多少標高の高いここは、残っている雪の量が多かった。
この先にも雪割草の咲く場所があるのだが、まだまだ雪の下であると判断して、右に曲がり黒滝城址へ向かう。
ところが、こちらの道はほとんど人が通っていなかった。
今まで踏み跡がきっちりついていたが、こちらにはうっすらとしか無い。
おまけに道そのものも崩れてしまって、無くなっている部分さえあった。
しかし、基本は小さな沢を登ればいいので、それほど苦労はしなかった。
林道要害線に出れば楽になるかと思いきや、なんと林道は一面の雪。
むしろ、黒滝城址に向かう登山道のほうが雪が少なく、歩きやすい。
12時半頃に黒滝城址に到着。
しかし、やたら賑やかなご一行がすでにこの場所に陣取っていて、昼食の最中だった。
仕方がないので、ここから少し下る場所にあるという大蓮寺郭跡まで行ってみることにした。
ここには行ったことがないが、広場くらいはあるだろう。
行ってみたら、あらまあ、越後平野が一望できるとても眺めのいい場所だった。
雪は多いが、日当たりのいい場所もある。
木も適度に生えていて、よし、ツエルトを張るにはちょうどいい場所ではないか。
比較対照物を一緒に撮影しなかったので大きさが分かりづらいとは思うが、ツエルトをたたんで丸めると、左のようになり、だいたい缶コーラくらいの大きさだ。
地面に固定するのは、100円均一でレジャーシートを固定するものを買って代用。強風の場合は心もとないかも。
左のようにロープを筒状に縫製された布に通して木と木の間に張る。
筒状ではあるが、三角柱を横にしたような形なので、その両辺を杭で固定するとあっという間にテントのようになる。
出入り口と底の部分はは紐でしばるようになっていた。
しかし、人が正座すると三角の頂点に頭が当たるくらいの高さしかない。寝転がると足がはみ出そうなくらい。2人用だが、2人で寝転がるとぎゅうぎゅうだ。
布がペラペラなので、風でひろひろと変形してしまうし、中でコンロなんかとても怖くてつけられない。
もしコンロを使うなら何らかの工夫が必要だろう。
と、いうことで、中に入ってコーヒーなんかはとてもじゃないけどできなかった。
だって、ものすごくいいお天気で、ものすごくいい景色なのに、ものすごく狭いツエルトの中でコーヒー飲んでいられますかって。
そんなこんなで、せっかく張ったツエルトはすぐに撤収。
まあ、使い方がわかったし、何を工夫すればいいのかも分かっただけ収穫だ。
左の写真は眼下に広がる平野と粟ケ岳。
帰りは、大蓮寺郭跡に下る途中にあった、搦手(からめて)道から下るつもりになっていたが、行ったことのない道だし、雪の状態もわからないので、結局林道要害線から下って、途中にある黒滝にご挨拶することにした。
が、その林道、もしかしたら林の中の登山道よりもずっと雪の量が多かったかもしれない。
2、3組の足跡を辿って雪の中を下る。
南沢の滝たちが水量が多かったので、この黒滝の水量も期待したのだが、あいかわらずのちょろちょろだった。
たくさん水が流れていれば見栄えのする滝のはずなんだが、それは台風の時くらいしか期待できないかもしれない。
そんな天候の時は何が崩れて落ちて来るかわからないので、近寄れない。
問題の2008年3月2日の雪割草。
場所を特定されないように、本文中ではなく最後に貼ります。
あそこなら咲いているかもしれない、というポイントに
左端の2りんが咲いてた。
そこには蕾も多数あった。
他の場所はまだ葉っぱが見られるだけだった。

と、いうワケで、今回の目的のツエルトとあわよくばみつけたかった雪割草も咲いているのを見つけられ、ほんの3時間くらいの散歩だったが、いい収穫になった。
これから暖かくなれば、雪割草もあっという間に咲いてくれるだろうが、3月でも雪が降るのが例年のことである。暇をみつけては、西に見える弥彦山塊に足を向けることになりそうだ。

黒滝城址 
  県道2号線、道の駅くがみを起点に。
道の駅から弥彦方面に走り、日帰り温泉さくらの湯などを通り過ぎて、県道440号麓野積線へと左折する。
この道は、冬季は3月末日まで通行止めになっていて、きっちりチェーンで閉ざされているので、その時期はゲートの前に路上駐車することになる。
通行止めでない季節には本当に黒滝城址のすぐ下まで自動車で行ける。県道440号を野積方面に向かって走り、林道要害線に左折で入る。(林道要害線は、2007/3中ごろまで災害工事中)そのまま登り、大きな説明看板があるあたりが黒滝城址への入り口である。
我々は、いわゆる大手道という南沢沿いの道を登って行ったが、その詳しい場所の説明はワケあって割愛。


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