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今回は少し遅い出発になってしまって、登山口を出たのが午前11時。登りはじめてすぐに11時のチャイムが集落に鳴り響くのを聞いた。
登山口のある道にはすでに4台ほど駐車していて、自動車を置くのに苦労する。
最初の数分でエンゴサクが目立ちはじめた。
わ、エンゴサクって、こんなに群生するんだ、というくらい咲いている場所があってびっくり。 |
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つづいて、果樹畑を通り過ぎてすぐ左奥にカタクリの海が広がっていた。
わわわわ、全部カタクリかいっ。
こんなに平らな場所が一面カタクリの紫で埋め尽くされているのは圧巻である。 |
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登り初めて、カタクリでひっかかりつつほんの15分ほどで期待どおりイワウチワが出現し始めた。
左手の下り斜面にチラホラ出てきたかと思ったら、次第に足元にも溢れるようになってきた。 |
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うわっ、あっち見てもこっち見てもイワウチワ。
可憐なピンクの花がそこかしこに咲いている。
イワウチワに目が行ってしまうが、実はショウジョウバカマも同じくらい咲いている。
ピンクだらけである。 |
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最初斜面の下に向かって花が開いていたので、みんな反対を向いているねぇ、などと言いながら登っていたのだが、次第に右側の上に向かっている斜面でも見られるようになり、こっちを向いている花に出会えるようになった。 |
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それにしても、登りは急だ。
前回は雪があったので登りにくいと思っていたのだが、今回はむしろ雪が無いから登りにくいと思った。
なにしろ、つま先が90度以上、上に向きっぱなしである。つるかと思った。
雪があると、ズボッともぐることはもぐるのだが、つま先は必要以上に上を向かないのだ。 |
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そんな登りにくさも、傍らの花と、その花に飛んでくるギフチョウの姿に消し飛んでしまう。
イワウチワにギフチョウなんて、ちょっとない構図でしょ? |
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ひー、辛い、へー、しんどい、と言いながら、あっイワウチワ、あっシュンラン、と花をみつけ登って行く。 |
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正午過ぎ頃ようやく遠方に朝日連峰の山々が見える場所に到着。巣箱のたくさんある尾根を山頂に向かって歩く。 |
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前日雨が降り、風も強かったのだが、どうにも春霞がとれないで、遠方の山々はうっすらとしか見えない。 |
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12時20分頃山頂に到着。
おお、前回登った時には雪で埋もれていてギリギリ見えていた山頂の看板が下まで出ている。
ってことは、あの時は積雪は腰くらいまであったんだ。
山頂には家族連れとご夫婦らしい人がいたが、家族連れは昼食を終えて下山するところだった。
我々もベンチで昼食。
って、ここ、ベンチがあったのか〜。
前は雪しか見えなかったぞ。 |
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山頂ではくたびれたヒオドシチョウが飛んでいた。
時折ギフチョウもやって来る。
実にあたたかな日で、むしろ汗になってしまったくらいだ。
山頂にいると、いきなり青い捕虫網をたずさえた人が登って来た。
ギフチョウですかと訊ねるとそうだと答えて、休みもせずに反対方向に去って行った。
午後1時、来たコースとは別の焼山コースで下山。
山頂で昼食をとってほぼ同時に出発の仕度をしていたご夫婦は、焼山コースから登って柳沢コースから下るのか、一度も追いつかれなかった。
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前回来た時にはこの焼山コースのほうはあまり花は無いだろうと感じていたのだが、意外や意外、むしろこちらのほうがイワウチワは多かった。
どの斜面もみなイワウチワが繁茂している。
そう、繁茂という言葉がピッタリくるくらい群生しているのである。 |
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さらにこちらでは、樹木の花に吸蜜に来るギフチョウにも出会えた。
左は、なんとマンサクの花の蜜を吸っている。 |
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見て、このイワウチワの状態。
イワウチワって、雑草なんだ、とこのあたりの子供は思っているに違いない。
私、かなり好きな花であるだけに、衝撃は大きい。 |
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もちろん、イワウチワだけではなく、スミレやエンレイソウも咲いている。
なんとも豊かな山である。 |
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そして、全く期待していなかった光景が目の前に。
右も左もカタクリに埋め尽くされてしまったのだ。
さすがに時期が少し遅い感じだったが、それにしても数が多い。
行きの柳沢コースで見たカタクリの海よりも何倍も広い斜面を紫に染めている。 |
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ここで、3名ほどの捕虫網を持った一行が現れる。
聞けばギフチョウ目当てだとか。
どうやら埼玉方面からわざわざやって来たらしい。
そうか、ここは、そっち方面ては有名な場所なのか。
一人の青年は熱く蝶に関するうんちくを語ってくれた。
それにしても、大の大人が、あっちに行ったこっちにいるぞとわらわら蝶を追っている姿はなんだかおかしい。
どうでもいいけど、あんまりカタクリ踏み荒らさないでね。 |
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カタクリの海を過ぎると、以前来た時にショウジョウバカマの葉っぱがびっしりあった谷状の道に出る。
ここは期待していた通りの光景になっていた。
いや、期待以上だった。
ショウジョウバカマだけでなく、カタクリも混ざって咲いていたのである。
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ショウジョウバカマのポンポンと、カタクリのベルが混ざって太陽の中で笑っているようである。
なんとも幸せな気分にさせてもらえた。
ここを過ぎればすぐに堰堤になり、駐車した場所に出る。 午後2時少し過ぎに到着。
戻った時には充分満足して、新潟の山は豊かだなぁという気分になっていた。
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