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奥の院の向こう側はちょっとした鎖になっているが、それほど大変な下りではない。
一の倉岳から茂倉岳への稜線が見渡せる。
左写真の茶色くみえる道の一番最初の岩がけっこう平らだったので、そこに登って昼食にした。
オキの耳から先はそれほど登山者がいないと聞いていたが、意外にちらほら登山者が来る。岩の上とはいえ、登山道のすぐ脇なのでちょっと恐縮。
12時50分頃 出発。 |
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稜線上の気持ちのいい道だが、右側は一の倉沢への大きな谷である。
我々と同じように岩の上でおにぎりをほおばっている青年がいたが、おいおい、それ、慰霊碑だってば。慰霊碑といっても自然の岩にプレートをつけたものだけど。
13時17分 ノゾキに到着。一の倉沢が見下ろせる。ここでたくさんの方が亡くなっているのかと思うちょっと背中が寒い。
このノゾキまで来て引き返す人や、一の倉岳までのピストンの人も多いようだ。 |
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時々鎖が出てきて、ちょっと下ったりするが、それほど大変ではない。
それにしても、花の多い稜線だ。
イワショウブ、リンドウ、ウスユキソウ、、ミヤマダイモンジソウ、トリカブト。
いちいち立ち止まって撮影するので、なかなか前に進まない。 |
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お昼を食べているあたりで、茂倉岳方面が雲で覆われているのが見えたが、登山道もだんだん暗くなってきた。
最初から夕立的な雨にあたってしまうだろうと予想していたので、想定内のことである。 |
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13時38分 あれ、ここには鎖はないの?というくらいガッツリ登る岩を登る。 |
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それからちょっとだけ笹の平坦な道を歩く。 |
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13時47分 一の倉岳山頂。
とはいえ、左写真は道標であって、一の倉岳山頂とは書いていない。右側の石の杭に一の倉岳とある。
ここにはドラム缶型の避難小屋があった。色までドラム缶〜。
山頂に来て、霧の粒子が大きくなって、雨という感じになってきたので、リュックにカバーをつけた。
雨具を着るほどの雨の勢いではない。 |
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一の倉岳から茂倉岳までの稜線はなだらかで気持ちがいい場所である。花もたくさん咲いているし、もう少し時期が早ければキスゲやギボウシも咲いていただろう実の姿もみられた。
キンコウカ、イワイチョウといった池塘の花も見られた。
確実に標高にして1900メートル前後なのだが、下までさえぎるものが無いせいか、高速道路を行く救急車らしいサイレンの音が聞こえて来たりして、不思議な場所だ。
右写真、現役のハクサンイチゲを発見してびっくり。 |
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よれよれになりながら、ここまで来てよかった〜と心底思った図。
なんと虹が綺麗な弧を描いて我々を向かえてくれた。
雨はイヤだけど、雨がないと虹にならない。
きっと我々はこれを見るために汗だくになって樹林帯を歩き、岩場をよじ登り、霧雨に打たれたのだ。
茂倉新道からの下山を選ばなければ、この風景は見られなかった。 |
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最後にちょっとだけ登って、茂倉岳山頂到着。 14時19分。
茂倉岳山頂からは馬蹄形縦走路が全て見渡せるとガイドブックに書かれていたが、山頂は霧で真っ白。眺望どころではなかった。 |
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すぐに茂倉新道を下る。
山頂からの下り道は両側から笹が生い茂り、足もとがよく見えない。アキノキリンソウがいやというほど咲いていた。 |
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14時34分 茂倉避難小屋到着。
すぐ上に来るまで小屋が見えなかったので、ちょっと不安になった。
ここで休憩するために中にはいると、すでに一人青年が荷物を降ろしていた。ここで今日は泊まるという。
裏手1分のところに湧き水があるのでそこで水分補給。ただし、ものすごくチョロチョロで500mlのペットボトル4本汲むのにかなりの時間がかかってしまった。
14時56分 避難小屋出発。
右写真、赤い矢印が次の目標、矢場の頭。と、遠い。 |
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しかし、左手の万太郎山の谷筋にいくつもの滝が見えて、滝好きはつい足を止めてしまう。
この場で午後3時だから、日暮れと競争でかなりヤバイ状況なんだけど。
左手の樹林の中には、高速道路の排気エントツがいきなりニョキッと突き出ていたりして、不思議な感じだ。 |
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それにつけても、笹がひどい。
雨で濡れているので、膝から下はびっしょりだ。よもやこんな場所で足だけ濡れるなんて。
それでも、笹にまじってたくさんのウメバチソウが咲いていて、気持ちをやわらげてくれる。 |
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いつズルっと滑るかわからない足場の中、ようやく笹からちょっと木が出てきたかな、と思ったら矢場の頭に着いた。 16時09分。 |
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左写真、今来た道を振り返る。最初のピークは、1683ピーク。その向こう側が茂倉岳だ。
この間の下山、我々は登山地図のコースタイムよりかなり時間をくってしまった。
雨がちょっと強くなってきたので、ダンナはカメラをリュックにしまった。
薄暗く感じるので、先を急ぐ。
矢場の頭から先は樹林帯である。 |
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16時25分頃、檜廊下と呼ばれる樹木の根っこが飛び出した場所に来る。これがまあ、普通の飛び出し方じゃなく、ほぼ全てどっこいしょと跨がなくてはならないくらいだ。
疲れた身になかなかキツい。
それをクリアしたかと思うと、雨で濡れた粘土質の下り道。
滑らないように慎重に下るとやたら時間がかかり、疲れる。 |
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17時30分頃 それまでとは違う、細いブナの林になった。道もなだらかになって、もう登山口は近いのか、とちょっと期待。
しかし、期待は簡単に裏切られる。
すぐそばに高速道路が樹木の向こう側に垣間見れたり、駐車場が俯瞰図で見えたりするのだが、なかなか近づかない。
しかも、またしても粘土状の急坂になる。なんか、泣きたい気分になったが、泣いたところで登山は終わらないので足を運ぶ。
国土地理院の測量の印か、ピンクのリボンと杭が目立ちはじめて、少ししたら、ようやく坂が終わった。 |
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18時17分 駐車場到着。
わあ、我々の自動車がちゃんと待っている。ものすごくホッとした。
あとは山小屋の青年の自動車ともう一台が止まっているだけ。
いやはや、ご苦労さまでした。 |
どうせだれも見ていないので、
自動車の中で着替えてしまって、
汗くささとお別れした。
いやぁ、長い一日だったなぁ。 |