番外

 近県の山

2010/9/11(土)  東篭ノ登山 標高2228m  西篭の登山 標高2212m
マツムシソウが見たい。
花というのは、時期を逃すと翌年まで見ることができない。
今年は時期を逃してしまった花がヒメサユリとキスゲだ。どっちも見逃してしまっている。
マツムシソウもこのままだと今年は見られなかったね、で終わりそうな花だった。
しかし、新潟県内にはお手軽にマツムシソウを見に行ける山がない。我々のマツムシソウの定番は大西山なのだが、この夏の猛暑でバテてしまった私にちょっと荷が重い山である。
だとすると、自動車でかなり標高を上げてマツムシソウの咲いているあたりまで手軽に行ける信州の山がちょうどいいではないか。
実は、レポにはあげていないが、昨年のお盆休みに長野県の湯の丸山に登っている。お天気に恵まれずにものすごい霧だったために、眺望がまったくなく、本当に接写で花を撮るためだけに行ったようなものだった。その時に湯の丸山と県道94号を挟んだ反対側に篭ノ登山というのがあって、登り口近くには湿原が広がり、標高も湯の丸山よりちょっと高い山があるのを知った。次は湿原に行って、篭ノ登山に登ろう、と話したのである。
そんなこんなで、マツムシソウを見るために、今回は篭ノ登山に行くことにした。
いつも会社に行く時間に起きて、午前7時頃に家を出発。
今回はナビにまかせて、登り口にある池の平湿原を入力して行ったら、県道94号を案内してくれなかった。
長野自動車道小諸ICで下りて、チェリーパークラインというりんご園のたくさんある道に導かれ、あっという間に林道のような道に入ってしまった。
つづら折に標高を上げる道で、しまいに浅間山の登山口や高峰温泉まで来てしまった。つまり、湯の丸とはまったく反対側から林道を通って池の平湿原に向かっているのである。
高峰温泉からは完全に未舗装の道で、まず開けられたゲートを通っていくのだが、これが午後5時には閉じられてしまうらしい。何人もハイカーが徒歩で先に進んでいるが、自動車が入っていいんだろうか、とちょっと不安になる。
だが、すぐに先行車に追いついて、来てよかったんだとホッとした。
未舗装の道をホコリだらけになって進んで、土砂崩れっぽい跡を見て怖がって、やっとたどり着いた。
        (写真が多いためにサイズを小さくしています。花の写真は、ダンナのサイトからご覧いただけます。)
9時50分頃 池の平湿原の駐車場に到着。けっこうたくさんの自動車が駐車しているが満車というほどではない。
駐車料金は500円なり。
ゲートからはかなりの距離があるので、2人で500円ならかなり安い。広いトイレもある。
9時55分 入り口の向かい側にある登山口から出発。
入り口には熊出没注意とかゲートが5時に閉まるから4時半までには戻れ、とか山に入るルールとか、とにかくたくさん看板が立っている。
しばらく林の中をむしろ下りぎみに歩いて行く。
林がとぎれると前方にこれから登る篭ノ登山が見えた。綺麗に東の頂きと西の頂きが見える。
そこから先はちょっと登りになる。林の中、木の根っこが露出している道だが、急な登りというほどではない。
笹が生い茂った場所になったり林になったりしながら少しずつ登って行く感じだ。
ただ、時々リンドウがあるくらいで、花はほとんど無い。
10時18分 道が登りながら大きく右にカーブしたと思ったら、いきなり視界がガレ場になった。
樹林帯を抜けたらしい。
あ、イワインチンが咲いている。
樹木が無くなり、右側の視界が開けた。
ガレ場ではあるがそれほど登りづらくないので、眺望を楽しみながら歩く。

おお、富士山が見える。
左写真はかなり大きくしてみたもの。
リンドウも毎日富士山を見ているのかしらん。
いよいよガレ場が急になる。どこをどう登ればいいのやら、といった感じだ。
時々浮石もあるので注意が必要だ。
でも、見たかったマツムシソウが咲いていたりして。
このあたりですれ違ったご夫婦が、富士山も木曽駒ケ岳まで全部見えました。素晴らしかったです、と教えてくれたが、我々には惜しいかな富士山しかわからない。
10時32分 東篭ノ登山、山頂到着。
おや〜、今までほとんど人の気配が無かったのに、山頂にはたくさんの人がいる。
しかも、ものすごく賑やかにおしゃべりするわ記念写真を撮るわ。
こりゃちょっと休憩する雰囲気ではない。
山頂は360度の展望で、すぐそばには外輪山を経て浅間山の頭が見える。
左写真が浅間山のアップ。
火口からうっすらと噴煙が上がっているのが分かった。
あまりに東の山頂が賑やかすぎるので、速攻で西篭ノ登山に向かうことにした。 10時34分。
西篭ノ登山へ行くにはガレ場を下る必要がある。石車に乗りそうでちょっと怖い。
少しだけ平坦な道を歩いて、すぐに両側がシャクナゲらしい低い木のトンネルのような急な下りになる。
10時46分 最低鞍部到着。これから登りになる。ちょっとだけ林の中を歩く。
10時54分 おお、ガレ場出現。ちょっと岩が大きい気がする。東篭ノ登山のガレ場よりも難しくなく登ることができた。
10時57分 西篭ノ登山、山頂到着。だれもいない。
山頂から登って来たのとは反対側に行ける道があり、ガレ場に適当な休憩できる岩などがあったので、そこで昼食。
ちょうど正面に富士山や八ヶ岳などが見えて、ものすごく幸福な昼食になった。
左写真は、山頂から湯の丸山と烏帽子山を見た図。その向こう側に北アルプスかしらん、まだ雪の白さのある山々が見える。
なんか、上から見ると、駐車場までの林道は明らかに地蔵峠がわ、すなわち湯の丸山のほうがなだらかでカーブも無い。
帰りはそっちから帰ろう、ということになった。
おなかも一杯になったことだし、さて戻ろう。
東篭ノ登山までの道が丸々見えて、急に下って来たあの道を登るのかと思うとちょっとうんざり。
11時38分 下山開始。
でも、意外にそれほど登りは大変じゃなかった。
12時04分 東篭ノ登山。
ここで尾根伝いに行ける水の塔山に行くかどうか検討する。まだ時間も早いので行けなくもないが、むしろ池の平湿原で時間をとったほうがいいということになり、下山することにした。
右写真は水の塔山。片道40分かかるらしい。水の塔山を経て、高峰温泉まで登山道は続いている。
駐車場を見下ろしながら、気をつけてガレ場を下る。
12時38分 駐車場到着。
荷物を自動車において、池の平湿原まで行くことにした。
      池の平湿原のレポはこちら

それにつけても、本当に40分で登れてしまった。で、標高2200メートルに立ってしまった。いいのか、こんなにお手軽で。いいのか、こんなに簡単に高山植物と高山からの眺望を見ることができて。本当に長野は羨ましい。新潟だと、5時間かけて歩いても標高1500メートルくらいしか行けないくらいの山だらけなのに。
ともあれ、多少花には遅い気もしたが、目的は充分に達成することができた。富士山も見れたし。あとは、ほぼついでの池の平湿原に行くだけだ。

篭ノ登山 
最寄ICは、関東方面からだと長野自動車道小諸IC。チェリーパークラインを通って高峰温泉に向かい、さらに通り過ぎて未舗装の林道を走って行く。ただし、高峰温泉を過ぎるとすぐにゲートがあり、このゲートは5時に閉じられる。
また、6月から10月は駐車場が有料になり普通車だと500円かかる。
さらに、7月中旬から8月はマイカー規制がかかって、シャトルバスで行くしかなくなるので注意が必要だ。
ちなみに、道としては、東部湯の丸ICで下りて、県道94号で湯の丸高原(地蔵峠)に向かい、そこから林道に入って駐車場に行くほうがずっと楽で未舗装の道も無い。
東御市観光協会/湯の丸高原


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