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2006年の烏滝下流のレポはこちら





烏滝
2004年の中越地震で土砂が流入して、
落差が半分ほどになってしまった。
それでも、沢が綺麗に広がって落ちる
美しい滝である。


大きさ比較。
というより、撮影場所。
がんばればもう少し近づけたと思うが、
この日はやめておきました。


滝の右岸、上方は、崩れやすいようだ。
今も赤い土がむき出しになっていた。


滝つぼ。
埋まっては流れ、埋まっては流れ、
川の威力を感じさせる。



烏滝上流の滝
登山道の案内看板には、
この滝が烏滝であるような
写真が貼りつけられているが、
これは上流の滝と判断するのが賢明。
とはいえ、渓流の滝として、
とてもきれいな滝で、
何か名前をつけてあげたいくらいだ。


大きさ比較写真。
って、おいおい、小さく写っちゃったじゃない〜っ。
滝つぼまで下ることもできそうだったが、
滝見スペースより撮影。



落ち口。
岩を切り裂いている。



水流が変化して、
渓流滝好きにはたまらない。




これは、2006年に
烏滝下流の滝2とした滝。
流木が真ん中にガッツリささっていて、
一見二条の滝に見えた。
2013/11/23  烏滝 長岡市
新潟の滝を紹介したムック本を出版していただいて、ネット環境のない方からも少しずつ情報をいただくようなってきた。
そんな中、前々から気になっていた烏滝について、とても詳しい情報を長岡市在住のIさんが送ってきてくださった。
烏滝が落ちる鋸山に何度となく登られているようで、2004年の中越地震前の滝と、地震後の土砂で埋まって落差が小さくなってしまった滝の写真も送ってくださった。
本当にありがとうございます。

さて、烏滝。
糸魚川市の白滝を見終わって、今年の宿題として烏滝を残しておくわけにはいかないだろう、ということで帰りの駄賃とばかりに確認することにした。Iさんからは栖吉川周辺の無名滝についてもいくつか情報をいただいていたが、とにかくこの日は烏滝を確認することに集中する。
鋸山の登山口に到着したのはすでに午後3時過ぎ。晩秋の頃なので、薄暗くなってしまっている。
登山口には、以前来た時のような道路脇に駐車する形ではない立派な駐車場ができあがっていて、あれ、こんな場所だったっけと思うくらいに変わっていた。
登山者の多い鋸山だが、さすがに3時も過ぎると駐車している自動車はまばらだ。
歩きだしてから、あまりに道がぬかるんでいるので、また自動車に戻って長靴に履き替えて再出発した。
なにせ、前回の訪問は2006年である。記憶もあいまいなのだが、こんな道だったっけ〜という登山道を歩いて行く。
長寿の泉という天狗清水もしっかり名前を記した看板が立っていた。
  
天狗清水がわの入り口からスタート。

  
天狗清水。一杯は五年、二杯は十年、三杯で限度、と書かれている。
右手の沢の向こう側に落ちる沢滝を見ては喜び、登山道の上から降ってくるような小滝をまたいでは喜び、と、まるで初めて来たみたいに写真を撮りまくった。
    
  
登山道を登ると、対岸に滝の姿。紅葉をまとって綺麗だ。

  
  
右手の沢にも綺麗な落ち込み。

    
  
登山道の左手から落ちてくる流れ。これをまたいで進む。

いよいよ沢を橋で渡り、以前判別不能の看板のあった場所に着いた。
今回はなんと写真つきの看板が立っている。
  

  
ただし、この写真、実は烏滝ではないらしい。滝名については解釈もさまざまでどこの部分をその名前で呼ぶかは慣例によるところも多いので、なんとも言えないのだが、足しげく鋸山に通っていらっしゃる地元のIさんによれば、この写真の滝は烏滝の上流の的で、烏滝はその下流に落ちている。
この、橋を渡ってすぐの場所にある看板から沢に出ても写真の滝はおろか、下流の滝も見えない。それは、2006年に確認済みである。
が、看板が綺麗になっているし、わざわざこの位置につけているということは、ここから行くルートができたのかもしれないしぃ、と、沢に行ってみた。
やっぱり変わらなかった。
水量はやや多めで、沢を遡行するのははばかられた。
あとあと、よくこの看板を検証してみれば、登山道を3分登って左側に烏滝があるという意味の看板らしい。この看板に書かれている矢印どおり左側にすぐに曲がって3分遡行すれば烏滝なのだ、と解釈した我々の国語能力のなさがマズかったのかも。
登山道に戻って、ちょっとだけ登ってみる。
ゆっくりガンバレと書かれたハイキングコースの看板のあたりから沢を覗き込んでみると、やはり下流の段差しか見えない。
  
ここから覗き込むと、

  
この滝が見えます。
なんとか濡れずに遡行するルートはないかと探っていると、ご夫婦らしい登山者が下って来た。
これ幸いと、その人に「烏滝」を見に来たのだが、知りませんか、と尋ねてみた。
すると、もう少し登ると看板がありましたよ、と教えてくれた。え、もっと上に看板があったのか〜。その人は看板の先がものすごいぬかるみで行けなかったが、そっちに滝があるんだろう、と言っていた。これか登るんですか、と訊かれたので、いや、滝だけ見に来たのだと答えた。
よし、上だな。
ほぼ小沢と化した登山道を登っていくと、本当に木に烏滝と書かれた看板があった。
おいおい、2006年にはここには何にもなかったじゃないか。
    
  
ほぼ沢状の登山道を登ると、左手に烏滝の文字。

  
  
案内に従って、ぬかるむ広場を進む。

看板のくくりつけられた木の奥は平らなスペースだが、本当にぐちゃぐちゃにぬかるんでいた。しかし、我々は長靴。ひるむことなく沢に近づく。
おおおおお、滝が落ちている。
下の案内にあった写真の滝が綺麗に岩を裂いていた。
これはこれで見事な滝である。
もし何も知らなければこれが烏滝であるというふうに納得してしまえるくらい、立派な滝だ。
落差は5メートルあるかないかくらいではあるが、固くて黒い岩盤を切り裂いて落ちて行くさまは、滝好きにはたまらない美しさがある。これが烏滝でないとしたら、何か別の名前をつけてあげてほしいくらいである。
では、この下流が烏滝か。
上流の滝の滝見台というべき平らな場所から藪を少しかき分けて下に下って行く。Iさんによれば、これは古い田んぼだそうなのだが、たしかに小さいが水平になっている段差が続いている。
ただ、そうと知っていればそう見えるだけで、知らなければただの藪だ。晩秋なので草もそれほどなくて、沢までの崖を踏み誤ることもないが、草の多い時期は踏み込むのは危険だと思う。
数段下って、沢を見下ろすと、あった。
烏滝だ。
見事な直瀑が落ちている。
上流の滝とは全く表情の違う滝で、この存在を知ったら、もちろんこちらが主瀑だと判断する滝である。しかも、Iさんの情報によると、中越地震で落差が小さくなってしまったというではないか。
見上げると、滝の上の岩盤はもろくて、今もなお崩れているようだった。
しかし、この沢は威力のある沢なのか、土砂を押し流しもするようで、地震直後には段差程度になった滝が落差5メートルほどまでになっている。
滝つぼに行くルートは無いことはないのだが、泥だらけになること必至なので、さすがにやめておいた。この位置からでも十分に烏滝の姿はとらえられる。
ようやく、烏滝を見ることができた。
気がつけばもう午後4時をまわっている。薄暗さもいよいよまして来ている。
登山道に戻り、駐車場まで下ると、滝の看板を教えてくれたご夫妻が帰り仕度をしていた。どうやら今日の気まぐれな天気のせいで、弥彦登山をするつもりが雨だったので、急遽鋸山にして、遅い時間の登山になったらしかった。おかげで再び烏滝を見逃すことを避けられたので、我々にはありがたい空模様だったかもしれない。

家にもどって、再びIさんの情報を読んでみると、栖吉川周辺には融雪時などにはたくさんの流れ落ちがあるらしい。
来春、また訪ねてみたいものだ。
交通
最寄ICは、関越自動車道長岡IC。インターをおりて、国道8号線から国道17号線に出て、長倉ICで国道352号線に乗る。
ただし、長倉ICは、変則ICで川崎IC方面から走ると下りられない。手前か、もしくは一つ通り越した交差点でバイパスを下りるとよい。
国道352号線に出たら、とりあえずの目標は長岡市営スキー場だ。そちら方面にひたすら進む。
しかし、スキー場への交差点に着いても国道をはずれないように直進する。
右手に見えていた川が橋を渡り左手になったらぼちぼち終点だと思えばよい。
やがて左側に広い駐車スペースが現れる。
そこから熊出没注意の看板のある登山道に入り、10分強歩くと木の橋で沢を渡る。
その直後に烏滝の写真つきの案内がある。
そのまま登山道を登り、杉林が見えたら直前の左側にまた看板がある。ここが上流の滝の滝見スペースの入り口である。
看板からほどなくが沢で、少しぬかるむが、上流の滝については危険なく見ることができる。
烏滝は、その下流になるが、沢までは崖っぽくなっているので注意しつつ藪をかきわけ下流方向に進むとみることができる。
草の多い時期は足元が危険になるので、最大の注意が必要である。


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