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今回の滝納めの滝たちは、全て危険性の高い滝ばかりです。
Bの遠望以外は訪問をオススメできません。
それを踏まえて、レポをご覧ください。



つばくろ滝
これがほぼ全景である。
遠くに見える一番上の滝は二条だ。
この位置からだと、
一番下の滝が落差があるように見えるが、
下の滝はなだらかな段々になって
急流のように落ちている。


最も滝っぽく見えるのがこの位置か。
最上段の滝が二条であるのと、
真ん中の滝がうまく入っている。


大きさ比較写真が無いので、
谷全体の写真を。
小さく見えてしまうが、
最上段の滝だけで落差5メートル以上は
あると思うので、
全体ではかなり長い滝である。


最上段のアップ。
もう少し登ればもっと綺麗に
二条の姿を捉えられたと思うが、
根性が無かった。


これは、登って行って一番最初に見る
つばくろ滝の姿。
中央の斜めに落ちているのが
たぶん2段目だと思う。
つまり、最下段の滝は、
さらにくの字に曲がっているので、
本当に見えづらいのだ。

2008/12/21  つばくろ滝(全長30M?)
事前にSさんより教えていただいた情報で、このつばくろ滝が一番滝までの行程が長いということも分かっていた。
渡渉も覚悟しないとならないだろうという予想もしていた。
そんなワケで笹倉温泉のすぐ上にある砂防ダムから落石の危険があるため立ち入り禁止と書かれた看板を無視して火打山川のすぐ左岸にある道に突入するには少々腹をくくる必要があった。
自動車で行ける所まで行くことにしていたのだが、立ち入り禁止だけあって、ほとんど自動車が入った様子のない林道である。いや、林道というよりは、砂防ダムの建設時に利用された道なんだと思う。
両側から草木が覆いかぶさるように繁っていて、我々の自動車は見事なまでのスリ傷だらけになった。自動車を丁寧に扱っている人は絶対に行かないほうがいい道である。
自動車を丁寧に扱っていない人でも、人の頭ほどの落石があちこちにあったので、できれば入らないほうがいい道だろう。
行ける場所まで行くと、やや広い感じになっていて、落石の心配も無い場所に出た。ここなら長い間駐車していても大丈夫だろう。
それにしても、我々は考え無しに2台で終点まで行ってしまったのだが、途中の道で落石が道をふさぐ事態に遭遇したら、と思うと浅はかなことをしたと思う。1台に乗り合わせ、もう1台を砂防ダムの下に駐車しておけば、とりあえず帰りの足だけは確保できたはずなのだ。もし自動車が複数の場合は何かあったことを想定して行動したほうがよい。
11時半少し前に身支度をして出発。
ここから先は、左手に火打山川を見ながら、作業道とおぼしき踏み跡をたどる。
  
  
  コンクリート舗装からいきなり急な登り。ただし、こんな登りは最初だけだ。
いきなり結構な角度でガツンと登る。自動車を置いた道の終点にはほとんど雪が無かったのに、その最初のガツンでチラホラ雪が地面に見えるようになってきた。
これから上流になにかしらの工事をする予定があるのか、踏み跡のあちこちに目印の杭が打たれている。その杭のおかげで道を誤らずに済んだ。
  
  
  雪がチラホラ積もりだす。左手に砂防ダムを見ながら進む。
5分ほどで砂防ダムが出現。それを少し巻くような感じで登り、もう一度川に向かって少し下る。それから先は斜めになった川沿いをズリ落ちないように注意しながら踏み跡をたどって行くだけだ。
隣の火打山川は、岩の間を流れる急流になっていて、時折滝状の綺麗な流れも見てとれる。
最初の砂防ダムから10分ほどで次の砂防ダムが見える。ここも急な斜面をズリ落ちないようにダムをやや巻く感じで登り、そして河原に下る感じで下りて行く。そのダムから5、6分で完全に川の端まで下りて、進路を悩むことになる。
    
  
滝状の急流を見ながら、急な斜めになっている斜面を進む。次の砂防ダムの脇も斜面。ひたすら斜面。
このまま川を左手に見る形で左岸を進むには、崖状の岩盤の下をややへつる感じで進まなければならない。見上げてみれば、崖の上は今にも崩れそうなイヤな雰囲気である。この情報もSさんから仕入れていたので、ああ、ついにここに来たか、と思った。Sさんはヘルメット着用で行ったそうだが、我々はヘルメット無し。Youさんは準備はしていたのだが、焼山川大滝の巨大な落石を見たあとでは、ヘルメット被ってもどうにかなる落石ではないだろう、ということになってしまったのだった。
対岸である右岸は、ややなだらかになっていて、川を渡ってしまえば実に行きやすそうな感じだった。危険もたぶんそっち側のほうが無いはずだ。
だが、川が問題だった。
渡れそうな場所が無い。浅そうな場所は流れが急だし、そうでない場所は深い。飛び石で行くにはちょっと離れすぎている。注意深く探せば渡渉できる場所はあったのかもしれないが、渡渉が大っきらいな私がガンとしてイヤがった。
そんなわけで、落石が無いことを祈って、息を止めて早足で左岸の崖下を行く。こちら側は少し川に入って進まなければならない場所もあるが長靴ならまったく濡れることもない。ただ、精神衛生上まったくよろしくない。怖いったらありゃしない。
  
  
  危険箇所。グズグズに崩れた土砂が堆積する。崖下すぐが川なので、怖い。
そんな場所も2分と歩かないで、またしても斜面になる。そして、正面に滝が落ちているのを発見する。
つばくろ滝だ。
あらまあ、逆くの字の滝なのね、落差10メートルくらいね〜。と気楽に考えていた。が、そういえば、Sさんから頂いた写真は2条の滝だったはずである。
さらに進んでよくよく滝を見てみると、その上に2条の滝がかかっていた。だが、その滝は、一番下の滝からみると、ほぼ90度向きが違う。つまり、一番下から見ても2条の滝は見えないのである。
この一番上の2条の滝を見るには、左岸の斜面を登れるだけ登る必要がある。
冬枯れした芦っぽい草の根っこを束ねて頼りにしながら雪がうっすらと積もる斜面を登って行く。ちょっと怖いが、幸い、スパイク付きの長靴だ。なんとかグリップする。
一番上の滝を見られる場所まで行って、滝を見てみて、あらっと思う。今度は一番下の滝がよく見えない。
このつばくろ滝、全ての滝をうまく捕らえられる場所が極めて少ないのである。
斜面の途中のギリギリ上段が2条になって見える場所で下段も岩盤に隠れない場所を探すしかない。だが、ちょうど冬で植物が繁っていなかったのでそこを探すつもりになれたが、もし夏場だったら、視界は得られないにちがいない。
滝全体を見てみると、大きく逆くの字に曲がっていて、落差そのものはそれほど無いのだが長さはある感じがした。もしかしたら、一番上の2条の滝だけをつばくろ滝というのかもしれないが、水が岩盤を右に左にすばやく曲がっている様子がつばめの飛翔にも似て、その様子を見てつばくろ滝としたのであれば、上段の2条の滝、中断の鋭い斜めの滝、下段のややなだらかな滝を含めてつばくろ滝なのだろうなぁ、と思った。
滝の撮影を終えて、また注意深く下って行く。もちろん崩れそうな崖下は、できるだけ迅速に通り過ぎる。幸い落石もなく、ズリ落ちることもなく帰り着くことができた。
滝から一番目の砂防ダムから見える笹倉温泉方面の景色がかなり下だったので、けっこう標高をあげていたようだ。
  
遠くに笹倉温泉が見える。
足元の雪がなくなり、自動車を停めた場所に戻るとホッと息をつくことができた。12時40分過ぎ。腹減った。
あとは、自動車に小傷を増やしながら道を戻り、砂防ダム近くの小さなキャンプ場で遅い昼食にした。
それまで見事なまでに晴れていて、気温も高かったのだが、天気予報どおりに空を雲が多い始めていた。昼食を食べている最中にポツポツ降り始めてしまった。
これはのんびり外でおにぎりを食べている場合ではない。
慌てて自動車に戻り、本日最後の滝を目指すことにした。
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交通
つばくろ滝 笹神温泉のすぐ上の砂防ダムの上流にあるが、本気で落石の危険性があるので、近寄らないほうがよい。
もしこのレポートを読んで滝に向かい、事故にあったとしても、んがお工房は一切の責任を負いません。
また、下草の繁る季節には、まず滝は拝めないと思ったほうがよい。
ちなみに、自動車を停めた場所から徒歩で30分弱で滝前。

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