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2008年滝納めそのAつばくろ滝へ 2008年滝納め そのB 

今回の滝納めの滝たちは、全て危険性の高い滝ばかりです。
Bの遠望以外は訪問をオススメできません。
それを踏まえて、レポをご覧ください。




(谷根川)大滝
我々が近づけるまで進んで
撮影したのがこれ。
近づけば近づくほど、
左岸にそびえる屏風状の岩が
滝を隠して行ってしまう。
滝全体を見るには、
この岩の向こう側に行くしかない。
それには、
もう数百メートルの遡行が必要だ。


こちらは、田んぼから遠望した大滝。
これを見ると、一番上の写真は、
滝のほんの三分の一も
見えていないのが分かる。


遠望の見た目。
赤い矢印の先の白いのが滝。
かなり離れているが、
それでも滝の存在は
しっかり見えた。


水路を歩いて少しして撮影。
上の遠望よりは少しは近づいている。
滝の下もかなり急流で、
水が駆け下りているのが
分かると思う。


最大に近づいた場所から
引いて撮影。
ここから滝までは写真では
それほど困難に見えないだろうが、
装備無しでは、
おいそれと進める地形ではありません。


落ち口。
見た感じでは、
その水源が分からないのだが、
地図を広げれば、
滝のずっと奥には
百名山の雨飾山がそびえ、
沢山の山々が水源になっていると
分かる。


こいつが邪魔な屏風状の岩。
滝ってば、どういうワケか
自分の前にこういう岩を作って、
自分を隠すことが多い。
2008/12/21  (谷根川)大滝(全長30Mor40M?)
滝納め最後の滝は、県道207号を笹倉温泉から日本海側に少し下り、左折で県道484号に入った先の谷根という集落のさらに奥にある。
実は、Youさんが我々と合流する前に谷根地区まで来て下見してくれていた。
写真とともに情報をくれたSさんではあるが、どの道をどう行けば遠望で滝を見ることができるポイントに行くのかは詳しく触れていない。
実はこの滝もかなり以前にどこにあるのか探したことがある。ところが、その時はどうやら我々は筋の違った場所をウロウロしていたらしい。
下見をしてポイントを探しあててくれたYouさんの自動車はするすると県道484号に入り、知らなければ通り過ぎるあたりで左折。杉の生い茂る林道っぽい道に突入して行った。
滝を見るにあたって、林道を通るのはちっとも不思議ではないので、だまってついて行く。すれ違いの困難な、右手は崖っぽくなっている道になり、げっ、対向車、という危機を切り抜けていきなり杉林が途切れた。
途切れて、明るい場所になって、なんじゃこりゃ、と目を疑った。
杉林を抜けた向こう側には、広々と田んぼが広がっていたのである。
林道は危ない感じで標高を上げていたはずである。まるで隠し田んぼか、天空田んぼか、といった感じで見事に整備された田んぼがずっと先まで続いていた。
先を走るYouさんの自動車は、迷路のように田んぼの間をくねくねと走っている小道を、何の迷いもなく進んで行く。
正面に急な角度で斜面を下りおりる小さな沢が見てとれて、あれが大滝かと疑ったが、すぐに違うとわかる。大滝はそんな小さなものではない。それにしても、この広い田んぼの中、どこに滝が落ちているっていうんだろう。遠望で見えるとしたら、平らな田んぼからならどこからでも見えそうなものだが、ぐるりと見ても小沢くらいしかないのである。
Youさんの自動車は、何のためらいもなく、正面の小沢をスルーして、右方向に進む。
緩やかに段々になっている田んぼの間を左に曲がって、少しだけ登り、自動車を停止した。
あの谷の奥に滝があるという。
指差したのは、右手に小沢の滝のある山肌を見て、まっすぐ先。つまり、杉林から飛び出た時点では左手奥になる山の谷だった。
そんなばしょに滝があるのかしらん、と、半分疑って見てみた。
疑ってすまなかった。
とんでもない滝が落ちていた。
自動車のある場所から谷の入り口までまず距離がある。5、600メートルほどだろうか。そこから、急流になって岩の間を流れている。その上に滝がある。ザバーッという感じで落ちている。
下の方は屏風状の岩で隠されていて、全体の落差は分からないのだが、沢の感じから滝つぼの位置を想定すると、楽に50メートルはありそうな感じだった。滝下の急流もまた、遠望だと滝のように下り落ちていて、そこまで入れてしまったら、100メートルは越える大瀑布になる。
すごい、すごい、と声をあげながら撮影。
でも、ちょっと遠い。もう少し近づきたい。
ふと見ると、自動車を停めた場所から少しだけ登ると、道のような平坦な場所があり、小沢の落ちている山肌に沿って、ずっと滝下まで続いているようだった。もしかしたら、あれは、遠い昔に打ち捨てられた林道か何かかもしれない。
あれを利用すれば、滝に近づくことができそうだ。
天気予報が当たって、小雨が降り始めていたが、歩くに困難な量ではなかった。
行く?行かない?という協議より先に仕度をしていた。だって、道があるんだもん。
そんなこんなで、遠望ですむお手軽滝のはずの場所でいきなり冒険モードに突入してしまった。
まず、道とおぼしき平らな場所に登る。3メートルくらいだと思うが斜面なので、ずるずる滑りながら無理やり登りついた。登ってみたら、そこは道ではなくて、水路のような感じだった。どうやら田んぼに水を引くための施設らしいが、けっこう古い感じだった。
そこからは、ずっと平らなので歩きやすい。
時折、右手の山肌から沢が合流して、小さな滝になっていたりする。
    

    
10分ほど歩いて、田んぼに出てから正面に見えた小沢の滝をパスした。そこからさらに5分強で大滝の真下まで来た。
真下、と言っても、ここからまともに滝は見えない。
急流になった流れが、田んぼに入ってゆるやかになる部分である。
むしろ遠いほうがよく見えた。
だが、見えないとなると、見える場所まで行きたくなるのが我々である。何の疑問もなく、急流の岩場にとりつき、登り始めていた。
水の流れは、岩と岩の間を通っているので、それほど多くは見えない。ルートを選べば、沢登りや藪コギの経験者ならそれほど大変な登りではないだろう。だが、はっきり言って踏み跡があるような場所ではないので、安全であるとは言いがたい。できれば、近づかないに越したことはない場所である。
岩に雑木だの芦だのなんだの枯れたのがたくさん生えていて、手がかりになってくれたり邪魔をしてくれたり、かなりてこずる。
それにしても、なかなか滝が見える場所に出ない。直下なのだから、もう少し見えてもよさそうなもんなんだけど。
あの岩の上に立ったら見えるかしらん、と思って立ってもまだ見えない。ではその上の岩ならどうかしらん、と、けっこう登ってしまった。
10分ほどジタバタ登り、ようやく滝の見える場所まで来た。
来たが、やっぱり屏風状の岩が邪魔だ。この位置からだと、滝の半分以上を隠されてしまう。
もっと先に進もうとしたが、ここから先は岩と岩の間が広がり、水の中を遡行しなければ進めそうもない。長靴の中が浸水し、ひざこぞうをすりむく覚悟を持てば行けそうな感じもしたのだが。
ぽつぽつと降っていた雨が、やや本格的な降りになってきた。ちょっとカメラを外に出しているのが気になるくらいの降りだ。どうやら神様はここでやめておけ、と言っているらしかった。
我々もここまでで充分満足だった。
Youさんと3人で、いや〜、いい滝を見た、と今年の滝納めに感動した。
あとは、水路まで気をつけて下り、戻るだけである。
さて、危険な場所を下りきり、水路に戻った。遠くに我々の自動車が2台、田んぼの端っこに小さく見える。
水路は、我々の来た方向と、さらに滝の川を挟んで反対方向にも伸びている。
上から見た感じでは、田んぼに出るのに楽なのは、反対方向だった。田んぼに出てしまえば、舗装された道があるのである。と、いうことで、来た道ではなくて、先の道へと進んだ。
こちら側は、ついこないだまで補修工事が行われていたようで真新しい重機の跡があった。何分も歩かずに田んぼに復帰。ただ長靴が泥だらけになったけれど。
その先は、舗装道路をとぼとぼと歩いて、自動車に戻った。
自動車に戻って、改めて大滝を見てみると、滝下から見たよりもずっと落差があるように見えた。そりゃあまあ、近づいて見上げると落差はそんなにあるように見えなくなるものだけど、これほど遠望と近づいたのとで落差が違って見えるのも珍しいかもなぁと思った。
さんざんお世話になったYouさんとここで来年もよろしくと挨拶を交わして別れる。
あとは、焼山温泉まで戻り、焼山の恩恵の温泉に浸かって、雨で冷えた体を温めた。

そんなこんなで、今年の滝納めは、新潟滝で締めくくることができた。
しかも、新潟県内の滝好きさんの情報を元に、新潟県内の滝仲間とともにめぐることができた。なんとなく、新潟の滝にこだわるわがサイトにふさわしい滝納めになったような気がする。
来年もこんな風に、人に教えられて、人に助けられて、そしてちょっぴり人に貢献できる滝めぐりをしたいものだ、と思った。
交通
(谷根川)大滝 国道8号線、早川橋西詰交差点で県道270号、笹倉温泉方面に曲がる。藤で有名な月不見の池の案内を通り過ぎ、住宅街を通り過ぎて少しすると、右がわに県道484号が別れる。交差点っぽくなく、484号は山に登る林道みたいな感じでY字の交差点だ。下の写真のバス停の建物の手前で登る。案内標識があるので見落とさなければ大丈夫。
  
バス停の壁には赤い斜め上を指した矢印と、交通安全、見滝、谷根、とある。ちなみに、谷根は「たんね」と読むそうだ。これを撮影した位置まで来ると通り過ぎたことになるので注意してね。
道なりに登って行き、住宅が立ち並ぶあたりに入って、下の写真のお宅の正面の道へと左折で入る。すみません、目印が家しかなかったもんで。
  
ずっとつけられているかどうかは分からないが、五十嵐健一郎後援会事務所、と書かれた看板がかかげられている。この写真は、帰りに真正面から撮影した。
あとは、道なりに行くと、だんだん林道っぽくなって、杉にかこまれた細い登り道になる。我慢して登り、杉が途切れると、目の前に田んぼが広がる。
すぐに右手に下の写真のような記念碑がある。
  
団体営圃場整備事業 記念碑 と書かれている。
その記念碑の横に立って撮影したのが下の写真で、滝は赤い矢印の先の谷にある。滝を遠望で見るポイントは黄色い矢印方向に走り、田んぼの右奥の高い場所ならたぶんどこでも大丈夫だと思う。下の写真で言えば、右手の黒々とした杉木立の向こう側奥くらいである。
  
正面に見える山肌に向かって進んで右折して、橋を渡って上のほうに行くつもりで行けばいいんじゃなかろうか。
ちなみに、わが愛ナビの「じゅごん」ちゃんの座標だと、北緯「37.00.00」東経「137.57.15」で停車して、遠望の写真を撮影したことになっている。
近寄って滝を見ても遠望よりもいいポジションは得られにくいので、沢登り経験者で無い限り、この滝は遠望でやめておいたほうがいいだろう。

2008年滝納めその@(焼山川)大滝へ
2008年滝納めそのAつばくろ滝へ

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