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高龍滝
落ち口から見下ろした図。
今回はこの写真しか撮影できなかった。


はじける飛沫。
この下に不動様がいらっしゃるそうだ。




寿々が滝
手前の堰堤には「すすが滝」とあったが、
近くの農家の人にYouさんが伺ったところ、
寿々が滝と書くとのこと。
なかなかきれいな名まえだ。


下流の石の部分まで近づいて見上げる。
もうちょっと水流が多いと
石の部分も綺麗に見えたかも。
でも、この量がたぶんMax。


大きさ比較。
滝の右側の木のさらに右に
Youさんが立っている。
それほど大きな滝ではないが、
さりとて、小さな滝でもない。


直瀑部分の水流。
よい天気でお日様を正面から浴びている。




てんぽこ滝(下段)
本文中でも書いたが、
たぶん「天鉾滝」なんじゃないかなぁ。
「天保小滝」ではなかろう(笑)
この滝も太陽の直射を受けて、
思いのほか綺麗に撮れた。


大きさ比較。
滝のほぼ直下に私がいます。
やっぱりこの滝も、
そんなに大きくはないが、
さりとて小さくもない滝だ。


滝つぼらしい滝つぼは無い。
どうも岩盤が絶えず崩れて後退しているようだ。


下段を左岸の上のほうから撮影。
だいぶ表情が違ってびっくりした。
下から見るよりもはるかに落差感がある。



てんぽこ滝(上段)
なんか、小さく写ってしまったが、
岩盤から離れる水流で言えば、
下段よりも落差はあると思う。


大きさ比較。
赤丸の中にYouさんが立っています。
滝の直下よりは少し離れている。


雪が滝の左右から雪崩になって押し寄せて、
土砂も押し込んでいるようだ。
どんどん埋まって、
しまいに滝が見えなくなるかも。


近くにカタクリが咲いていた。


カタクリはちょうど見ごろだった。

2010/5/1   高龍滝(落差?)
             寿々が滝(落差10M?) 
             てんぽこ滝(各落差7M?)   長岡市

2010年のゴールデンウィークもつつがなくやって来て、今年は諸般の事情から県外へは遊びに行けなくなってしまった。せっかく5連休だというのに。
しかし、これ幸い、ということで、取りこぼしている県内の滝やら桜やらを毎日巡ってやると決めた。
そんなワケで初日。前々から気になっていた長岡市の高龍滝を「身近にディスカバー!」のYouさんに案内してもらうことにした。
長岡市の蓬平温泉周辺には蓬平の不動滝をはじめとしていくつかの滝がある。しかし、我々は不動滝を見たくらいで、他の滝は場所さえ特定できていなかった。
Youさんは何度かこの地を訪ねて、滝を探索している。
今回はYouさんにくっついて、Youさんの取材した成果をありがたくいただく形である。

蓬平温泉を通り過ぎて、高龍神社の駐車場で待ち合わせて、Youさんがこっちだ、という方向にくっついて行った。
駐車場の正面の岩盤に徒歩で高龍神社の奥の院に向かっている古い遊歩道がある。現在は崩れてしまって、通れないことになっている。奥の院には自動車で行ける別の道が作られたらしい。
何度もこのあたりには来ているのだが、こんなにはっきりと道がついているのに気がつかなかった。
  
高龍神社の駐車場から振り返って。

  赤い矢印が奥の院への参道。現在通行できない。。


  入り口にはこんな風に石碑が埋められている。

昔はここを通って奥の院に行ったというから、けっこうしっかりとした感じの遊歩道になっているのだが、今は通る人もいないので草が生え放題だ。まだ夏草の季節になっていなくてよかった。
少しすると左手の川の上流に堰堤が見えた。これを乗り越えて通り越し、本当に崩れたんだなぁ、といった感じのわずかに残っている参道を歩く。
    
  打ち捨てられた参道を進み、堰堤の脇を歩く。またまだ雪深い。

  雪崩のためか、参道はすっかり埋まっている。。

振り返ると、高龍神社の駐車場のあった道路の向こう側に谷に素晴らしい滝が見えた。
Youさんの話によると、田んぼの用水用の水の流れ落ちで、田植えの季節が終わると無くなってしまう可能性があるのだそうだ。
    
  振り返って道路の向こう側の谷を見る。かな立派な滝が落ちている。

参道をさらに進むと、やがて雪崩の跡のような雪で埋められた場所に出てしまった。ちょっと怖いが雪の上を歩かなければ先に行けない。幸い、この季節の雪はしまっているのでずぶずぶともぐることもないのだが、滑ってしまったらあっという間に川の方に落ちる。
Youさんを先頭に、その足跡をたどる形であとに続く。
  
  
  完全に雪で埋められた参道。少し進むと、川が雪で見えなくなる。

しかし、気がかりなのが雪が川の方まで押し寄せていること。
谷になっているので、雪崩の雪は全て川のほうに集まる。雪は川の上をフタのように覆っている形だ。
あのカーブを曲がると高龍滝なんだが、という場所に来て心配はさらに高まった。
  赤い矢印の先が高龍滝。川は雪の下。

滝前の雪が無ければいいのだが、と思いつつカーブを曲がり、この下が高龍滝だ、という場所まで来た。確かに水の音がすごい。滝の落ち口が見えて、光って落ちる水も見える。
だが、落ち口から滝を見下ろしても、それがどんな滝なのかさっぱり分からない。
滝つぼは見事に雪に覆われていて、スノーブリッジ状になっていた。
雪の上に立てば滝の正面に出られるのだが、そんな危険は冒せない。一見雪原に見えるが、その下は川が流れていて、空洞になっているのである。
今にも雪に下りそうなダンナとYouさんに、絶対ダメと猛反対した。
雪の無い水量の少ない時期であれば、川まで下りて滝前に出られるらしい。
この高龍滝は、その季節まで待ったほうがよさそうだ。
とにかく、今年は山間部は雪が多く、春が遅い。次は今年の初冬、雪の降る直前あたりに来よう。

仕方がないので、来た道を戻り、駐車場に。
次は、蓬平温泉にある滝を案内してもらう。
県道515号から蓬平の郵便局に行く道へと入って行く。郵便局を通り越して少し行くと、川を渡る小さな橋がある。大平橋という。これを渡るとすぐ正面に堰堤が見え、「土石流危険渓流信濃川水系すすが滝」と書かれた看板が立っている。
つまり、この堰堤の上流がすすが滝ということだ。
  橋を渡るとこんな風に見える。。

道は橋を渡ってすぐに左がわにカーブしつつ登り、さらに右に曲がって登っている。
我々は農繁期ということもあり、細い農業用の道に自動車で入り込むことを遠慮して橋のたもとに自動車を止めて、歩いて登った。
右にカーブして、堰堤をぐるりと回りこむように登って行くと、正面に滝が見えた。
    
  農業用の道を歩いて登る。道の向こう側に滝の姿を確認。

おお、なんて立派な滝だろう。
ちょうどお日様の光を受けて、白い水流が輝いている。すっと岩肌を流れてから、積み重なった岩の間を縫うように落ちている。
どうやらこれも農業用の水らしい、とのこと。
こんな滝が田んぼに使われて、水量が増減するのか。新潟の田んぼ、恐るべし。
もっとも、立派な滝には見えるが、滝から堰堤までの流れを見ると、ほんの一跨ぎで越えられそうな些細な流れである。新緑と青空がこの農業用滝を立派で美しく見せているのだ。
ちょうど水流に太陽が当たっているので、どこかの角度で虹が見えないか、滝に近づいてみたが、ちょうどいい場所は見つけられなかった。
まだ田んぼに水が張られていない状態だったので、あぜ道を歩き回って、滝を堪能することができた。

さらに次の滝を案内してもらう。
蓬平温泉から長岡方面にちょっと戻り、県道25号に合流する少し手前に野菜の直売所がある。その広くなった路肩に駐車して、県道25号方面の山の中腹を見ると滝が落ちているという。
雑木の向こう側になるので、よく見ないとわからないが、確かに滝が落ちていた。これからそこに向かうのだ。
  
分かるかな〜。中央の白い感じが滝の上段。

場所としては、長岡市内から県道25号で蓬平温泉に向かった場合、蓬平温泉へ続く県道515号との分岐をそちら側には行かずに、右折かげんで県道25号のまま山古志方面に進む方向だ。そのまま進むと、右手に平行して川が流れているが、すぐに水道施設のような建物がある。そこから川の向こう側の山肌を見ると、滝が落ちているのが見てとれると思う。
で、滝に近づくには川の向こう側にある細い道に行く必要がある。
分かりやすく説明するために、県道25号に曲がる、と説明したが、実は長岡方面から行くと川を挟んで手前に細い道があるのだ。そちらに入る。
もし、県道25号から滝を確認したのならば、そのまま山古志方面に進めば、右手の川を渡る小さな橋が出てくるので、それを渡って戻ってもよい。
下写真のような滝の下流の沢がある。
  沢が道路手前の用水に落ちる部分。

  
滝の下段と左側の木のすぐ隣に不動様が写っている。

自動車は少し蓬平温泉側に戻った場所が路肩が広くなっているので駐車することができる。ただし、2010年5月現在、県道の橋付近が工事中で、平日は工事車両が入っている可能性があるので注意が必要だ。
Youさんの事前の下調べによると、この沢のすぐそばの畑で農作業をしていたばあちゃんはこの滝を「てんぽこ滝」と呼んでいたそうだ。てんぽこって、いったい・・・。もしかしたら天鉾滝かなぁ。
道路から見上げると下段しか見えないが、上段もあって、上段までは行けるかと訪ねたところ、上には昔田んぼがあったから行けるはずだ、滝の右岸を行きなさいと教えてくれたとのこと。
今日はそのばあちゃんの姿はなかった。
確かに道路から沢の右岸には畑があって、その畑に向かう踏み跡程度の道がついていた。沢のすぐそばには不動様もいらっしゃる。
まずは下段の滝から見てみようと、不動様の前についている道から上のほうまで行ってみたが、あれ、滝がよく見えない。
仕方がないので沢まで下ってみても、やっぱりよく見えない。流れがちょっとだけ左にカーブしているから、左岸に行かないと滝が見えないのである。
幸い、沢はそれほど広くないし、水量もないので、飛び石で左岸に出ることができた。
滝によってえぐられた岩盤ぞいにほんのちょっと遡るだけで滝の正面に出ることができた。
思いのほかよい滝で、落ち口からえぐられた岩盤を離れて水流が真っ直ぐに落ちている。綺麗な水なら、滝行なんかにちょうどよさそうな感じだ。いや、打たれたくはないけど。
左岸に出たついでに、滝を左岸の上の方から見てみたくなった。すでにYouさんは斜面にとりついている。行けそうかと訪ねたら、大丈夫だろう、とのこと。
そうか、ばあちゃんは滝を見る、という視点では教えてくれてはいないので、右岸から行けと言ったんだろうな、と適当に解釈して、左岸の斜面を登った。
少し登ると、おお、下段の滝を別角度から見ることができた。
滝下から見るよりも落差感がある。というか、岩盤を離れる部分よりも上の斜度がついている部分がけっこう長いのだ。滝下からだと岩盤を離れた下の部分しか見えない。
これを見ただけでも、道なき斜面を登った甲斐があるなぁ。
と、思っていたら、Youさんはさらに登っていた。どうやらこのまま上段まで行くつもりらしい。行けるというので、我々も雑木を頼りにけっこうな角度の斜面を登る。とほほ、こんな温泉の近くでやぶこぎか。
ちょっと上に雪崩止めの鉄製の柵があって、そこまで登ればきっと平らになるんだろうな、と信じて登ってみた。が、柵は斜面のほんの途中にくっついているようなもので、その上も斜面だった。
かなりの高さまで登ってしまったものだから、戻るのも怖い。Youさんはどこ〜?
見ると、沢のほうに向かって横移動していた。すっかり崩れてしまった急斜面をものともせずに移動している。え、私にその真似しろってか。
頭の中であの木につかまり、あの緩斜面まで行き、半分しりもちで一段下の平らな場所まで落ちて、などと考えつつ、しまいにはなんとかなると、進んだ。
一応書いておくが、この斜面は県道25号から丸見えである。山菜摂りするにもほどがあるような角度の斜面にへばりついている女の図は、通行する自動車からどんなふうに見えるか、考えたくない。
とにかく、なんとか沢までたどりつき、結局沢を渡って上段の滝に近づいた。
ああ、本当に滝の右岸はとても綺麗に平らになっていて、その昔は田んぼだったのだろうなぁと想像がつく。
ってか、ちゃんと踏み跡より太い道がついてるしぃ〜。
ともあれ、すったもんだの末、ようやく上の滝にたどり着いた。
上の段は、昔田んぼだった平らな場所で見るために、下段よりも明るい感じがした。岩盤から離れた水流がちょっとだけ広がって落ちるのが綺麗だ。
特にこの滝は、早春の山野草に彩られている。カタクリやキクザキイチゲが咲いていて、のどかな里山の滝という感じだ。
この沢のさらに上流にもおそらく段差があるのだと思うが、さすがにいらぬやぶこぎで疲れてしまった。
今度はちゃんとばあちゃんに教わった田んぼ道を下ることにする。
なんのこたない、ものすごく楽に道路まで下りることができました。段差のキツイ場所にはちゃんとハシゴまでかけられてたし。最初からこっちを利用すればよかった。
  古い田んぼ道を下って戻る。

なんやかんジタバタしたせいで、10時少し前に集合してすぐ近くにある3滝を回っただけなのにお昼ちょっと前になってしまった。
どこかでお昼にして、本日のメイン(のつもり)である蛇逃の滝に行こう。
しかし、お外でおにぎりを食べる適当な場所が蓬平温泉付近にはない。では、自動車で移動しつつ探そう、ということになった。
      つづきは、新潟の滝133 蛇逃の滝
交通
本文中を参考にしてください。
蓬平温泉へは、長岡市街からやや西にある国道17号線で南下し、側道から県道23号線に入って山古志方面に向かう。いちいち案内が出ているので、間違うことはないと思う。
なお、高龍滝については、危険を伴う場所を通るので、単独では向かわないほうがよい。あくまで自己責任で行動すること
寿々が滝、てんぽこ滝については、どちらも農地の中にあるので、農家の人の迷惑にならないようにしよう。


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