2012年錦秋のミニオフその@めおと滝
2003年6月のめおと滝はこちらから
![]() めおと滝 左側手前が雌滝。 奥が雄滝。 紅葉のなか、人知れず落ちている 名瀑である。 ![]() 雄滝。 下段の途中から伏流が落ちる。 ![]() 雌滝。 この滝がこんなに立派になるとは、 予想もしていなかった。 ![]() 少し高い位置から撮影。 雄滝の上段がよく見える。 ![]() 雄滝、上段。 2003年に来た時には、 上の段があるとは 気がつかなかった。 ![]() 伏流部分。 これがあるから、 雄滝の表情が豊かになっている。 ![]() 雌滝の周りは 美しく紅葉していた。 ![]() 帰り際に撮影した、 黄葉に縁どられる雄滝。 いや〜、秋ですなぁ。 ![]() 下る途中の道から撮影。 雪をかぶっているのは 守門岳かなぁ。 ![]() 晴れ間ものぞき、 紅葉のブナ林は本当に綺麗だった。 ![]() 上の広場あたりで撮影。 青空と雪と紅葉。 |
2012/11/3 めおと滝 魚沼市(旧入広瀬村) (20メートル?) 昨年、つまり2011年の7月に新潟県と福島県の県境に局地的な集中豪雨があって、大きな被害があった。旧入広瀬村はそのど真ん中の地域で、浅草岳の登山道に通じる林道などはずっと通行止めだった。 その浅草岳の懐から流れ落ちるめおと滝はどうなっただろう。ずっと気にはなっていた。 以前行った時にあまりに過酷な行程だったために二度と行かないつもりの滝ではあったが、その後9年たって、我々夫婦も登山などをはじめて、多少は山を登る経験を積むことができた。今ならあの時ほど苦労せずに行けるんじゃないかなぁ。 でも、水害のあとだし、ちょっぴり不安だし。 こんな時に頼りになる柏崎の滝仲間Youさん(身近にディスカバー!)に声をかけて、一緒に行っていただけることになった。 2時間あれば行って帰って来れる滝、ということで、ゆっくりめに午前10時に集合。今回はYouさんの奥様もご一緒だ。 出発場所の浅草山荘の駐車場で、公園利用者数調査の人がいたので、滝を見に行くので自動車を駐車させてもらっていいかと聞いたところ、いいだろう、とのこと。ただし、道は藪ですよ、と教えてくれた。 それは承知しています。 身支度をして出発。公園の中は紅葉がピークで、とてもきれいだ。 ![]() ![]() ところが、舗装された道も途中からなんだか荒れたような感じになってきた。最後のあずまやなどは、背丈の高い草に覆われているような感じだ。かろうじて階段は見える範囲だったが、ほとんど草も刈っていない感じがした。 ![]() ![]() 上の広場に至っては、我々より背の高いススキや何かの植物だらけで、分け入るのに勇気がいるような感じだった。 さすがにYouさんの奥様はここで足手まといになるから、と行くのを断念。2時間ほど1人で待ってもらうことになってしまうのだが、さすがにこの先の行程を考えると無理強いもできなかった。 上の広場で以前の記憶の方向に進むとぶなの林になり、かろうじて踏み跡をみつけられた。 少し進むと沢にぶつかる。そのまま沢沿いに登るのはNGというのは記憶にあった。 が、踏み跡がまったくわからなくなっている。沢から離れて沢の左岸の上のほうに登る段差があるはずなのだが、9年前とはまったく感じが変わっていた。 いかん、いきなり放り出された。 ![]() ![]() 3人でウロウロ探し回って、どうもこれじゃないか、という踏み跡をみつけた。やはり最初にあたった沢の左岸をやや登ったところである。登った向こう側はまた沢になっているので、平均台みたいな感じで登る。つまり尾根に乗った感じだ。 しかし、これがまた、えっうそっ、と言いたくなるくらいの急登になるのだ。よく登ったなぁ9年前の私。ってか、こんなに急登だった記憶さえ無いのだが。 ![]() ![]() 記憶がないあたりで、本当にこの道でよいのか、私はずっと疑っていた。 なにせ、時々ロープまで出てくるくらいの急こう配なのである。目の前に滝という餌があっても、9年前の経験のない私が登れたかなぁ。 しかし、登っていたのである。経験はないが、9歳若かった。時に無謀は経験値と同じくらい結果を出せる。 さておき、10分ほどとんでもない急登をしてようやくなだらかになった。今度は右側が開けた場所をへつっているような道になる。 やっと楽になったかと思いきや、両側から草がわっと襲いかかってくるような藪になった。だが、まだ踏み跡があったので先に進むと、今度は大きな岩が重なったような場所の上に道がある感じに。その上に枯葉が積もっているので、岩と岩の間に足がハマってしまうと転ぶ。しかも岩は時々浮石になっていて、ガコっと動く。かなり神経を使って進むことになった。 ![]() ![]() 上の広場から山に突入して40分ほどで、道がなんとなく下ってきた。 9年前のレポから、滝の直前には下る、と書いてあったので、ぼちぼち滝かしらん。などと思って前方の林の間を見ていると、木々の間のずっと向こうになんと滝の落ち口が見えた。 我々の歩いている場所とほぼ同じ高さに滝の落ち口がある。 え、このまま進むと、滝の上に出る?というくらいレベルが同じだ。 もし滝前に出るとしたら、かなりの角度で下ることになるだろう。 またしても本当にこの道でよかったのかしらん、という疑問が頭によぎる。 そんな疑問を感じているなか、いきなり道が沢で分断された。 ![]() 左側から沢が落ちて、道を横切って右側のがけ下に滝となって落ちている感じだ。 その滝はかなりの落差が感じられて、沢を渡るのはちょっと怖い。 ただ、沢の上にロープが渡されていて、いかにも渡ってください、と言っているようだ。沢の向こう側にも道は続いているし。 しかし、この位置でこの落差としたら、もしかしたら雌滝の落ち口に出ちゃったんじゃないの? 前方に雄滝とおぼしき滝の落ち口が自分たちの高さと同じレベルに見えるのもその推測の裏付けに思えた。 ヤバい。我々は何か別の仕事道に迷い込んで滝の上を行こうとしているんじゃないのか。と、勝手に思い込んでしまった。 だとしたら、どこかなだらかな場所から滝前に下って行くしかないんじゃないのか? ここに至るまでになんとなーく下の沢に下れそうな場所もあったし。 とにかく、目の前の沢がとてつもなく危険に私には見えたのだ。間違っても9年前にはそんな危険な渡渉はなかった。 いや、結果的には渡渉していたんですけど。 そんなこんなで、戻って適当な場所から藪に突入。下の沢を目指すことにした。 これがけっこう難しくなく沢に到着してしまった。先導してくれたYouさんのおかげだと思う。 難しくなく、とはいえ、沢に到着するのに20分かかっている。さすがに道のない藪なので時間がかかる。 ![]() ![]() さて、沢だが、これが予想以上に水量が多く、遡行するのが難しい状態だった。 この沢の上流に滝があるのはわかっている。だけど、泳がないかぎり上流には行けない。 めおと滝の下流がこんなに立派な沢だったとは。かなり気持ちのいい眺めではあったが、にっちもさっちも行かなくなった。 ![]() ![]() 仕方がない。またしても藪をよじ登ってもとの道に戻るしかない。 沢をウロウロすること20分。藪をよじ登って道に復帰するまでに20分。げぇぇぇぇ、1時間も無駄に動いているぞ私たち。 あとに残されたのは、道を分断している滝の頭の沢を渡るしかない。 そこに戻って沢に行くまでにはものすごく危険に見えた渡渉が、さっきの沢に比べたら赤ちゃんみたいに簡単に感じられた。 難なく渡って道を進む。 ![]() すると、どんどんと下って行く。 が、下って行く途中でドサっという感じで葦の類の草に行く手を阻まれた。 水音から沢がすぐそばなのはわかる。 しかし、葦、我々の背丈より高いのだ。 踏み跡もまったくなくなってしまっている。 どうする? 行くしかないでしょう。 ![]() ガサガサと葦をかき分けて進む。進んで、葦が途切れたところで、おおおおおお、なんだこれは。 左手の岩盤からものすごい勢いで滝が落ちていた。 雌滝である。 雌滝がこんなになるのか。とにかくすごい。 9年前に我々が来たときには黒い岩盤にチョロチョロと流れるだけの滝だった。 しかし、今は紅葉した木々の間から白い水流が勢いよく飛び出して流れ落ちている。なんて綺麗なんだろう。 ![]() では、雄滝は? 見えない。この位置からは雄滝は見えなかった。 しかし、沢まで下るルートは無いように見える。もし沢に下ったとしても、遡行できる水量でもない。 雄滝を見るとしたら、もうちょっと足場のよい位置まで戻って横移動できる場所を探すしかない。 一番最後尾にいたのが私なので、私が先に戻って、最初の葦で行く手がふさがれた場所に着いた。 あれ、ダンナとYouさんが来ないぞ。 どうも男たちは自分たちのルートをみつけて滝に近づいて行ってしまったらしい。 仕方がない。私は私なりに滝に近づくしかないじゃないか。 と、いうことで、踏み跡がとぎれたあたりから下に下るのではなく、横に移動する感じで葦をかき分けて進んだ。 とにかくやみくもに進んだら葦が途切れた。 途切れた先に、やった、雄滝が見える。 しかも、9年前に見た雄滝よりも上から見ているので、さらに上の段がよく見えて、もっと落差のある滝であることがよく分かった。 そこの位置からだと、正面に雄滝、左手に雌滝の横顔が見える。 なんとも素晴らしい景観だった。 ふと下を見ると、葦の向こう側にダンナとYouさんの頭が見える。私より3メートルくらい下だろうか。ちっ、私の心配なんかちっともしてなくて、滝の撮影に集中している。ま、いいけどさ。 しばらくすると私に気がついて、そこから雌滝は見えるか、と聞いてきた。 見えるけど、横顔だよ。でも、雄滝の上段が見えるよ。 男どもは葦をかき分けて、まっすぐ私の場所まで登ってきた。 落差、何メートルくらいありますかね。20メートル以上だろう。雌滝は25以上あるだろう、なんて話を葦のど真ん中でしながらしばらく滝の撮影をする。 しかし、余計な遊びをしてしまったせいで、1時間も予定からずれている。 携帯もつながらないし、さぞYouさんの奥さまも心配していることだろう。あまり長居はできない。 滝を振り返り振り返り、葦をかき分けかき分け、踏み跡まで戻り、あとは急ぎ足で浅草山荘まで戻った。 予定よりすっかり遅れて、午後1時過ぎに到着。奥様に遅くなってすみませんと詫びて、公園で昼食にした。 昼食のあとは、せっかく入広瀬に来たので、紅葉の似合う布引の滝に行かなくちゃ、ということで、大原スキー場に向けて自動車を走らせた。ホントに懲りない大人たちである。 2012年錦秋のミニオフそのA布引の滝へ |
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交通 *浅草山荘までは道案内は変化無いのですが、そこから先がさらにわかりづらくなっていました。 まず2003年に行った時のままの案内を下にコピーします。 ********************************************************** 国民宿舎浅草山荘をめざす。 関越自動車道堀の内ICを起点に。県道23号を経て、国道17号に出る。17号に出たら小出方面に向かう。四日町という交差点で左折して国道252号線に入る。あとは国道252号を外れないように入広瀬村へ進む。途中、右手にJR大白川駅を見てすぐの所に破間川ダムに向かう分岐点がある。ここは、国道からはずれて、左の坂道に行く。案内表示の大白川方面に進めばいい。そこここに浅草山荘の案内があるので、それに従えば間違いない。この道を進むと右に破間川ダムを見ながら赤い浅草大橋を渡ることになる。橋を渡ってすぐに右折すれば浅草山荘。 さて、問題はここから。上記の文中と下の写真で滝への道のりをたどっていただきたい。 ![]() ![]() 左:浅草山荘。この写真の左側が、右の写真。ここから公園の中に入る。 ![]() ![]() 公園の整備された道。炊事場の先は道がないが、右のように階段が続く。 ![]() 見晴らしのよい上の広場に着くと階段はなくなる。 突き当たりの奥にあるテーブルの脇の林に踏み跡がある。 ![]() やや行くと沢にぶつかる。これを渡って少し沢の脇を歩く。 ![]() ここが重要なのだが、そのまま沢沿いに行くのは間違い。 注意深く右側を見ながら歩こう。階段状に窪みをつけた踏み跡がある。 木々にもテープなどの目印は全くないので、とにかく注意が必要だ。 この先、踏み跡が消えかかるほど草に覆われていたり、ガレ場だったりする。 上りも急勾配である。 また、滝に近づく場所も急な下りになる。 技術は必要ないが、体力に自信がない場合はやめたほうが無難だ。 ****************************************************以上、2003年のコピー。 2012年11月現在、上の広場から先はかなり荒れた状態でさらに踏み跡が見つけづらくなっている。最初の沢を渡って、踏み跡をみつけられればそれが滝につながる道ではあるのだが、なかなか見つけづらいだろう。踏み跡をみつけられなかったら、断念したほうが無難。 また、われわれが判断を誤った道を横切る沢だが、2003年の時は水量が少なかったので渡渉はそれほど困難ではなかったと思われる。ちなみに、2003年のレポでは、これがめおと滝なんじゃないか、と最初に思ったと記述してある沢である。下流が滝になって落ちていることさえ気がついていないくらいの沢だった。 その後の集中豪雨のため、この沢も多少姿を変えたのではないか。 また、最後の滝前に行く道ももしかしたら崩れてしまってなくなっているのかもしれない。土石の上に葦が繁茂していたのかもしれない。2003年の時は難なく沢まで下って、雌滝のほぼ直下まで行っているので、道はあったと思われるが、今回は発見できなかった。 年ごとに季節ごとに道も形状を変えている可能性がある。 今後なんらかの整備がなされない限り、よほどの経験がある人以外はめおと滝には近づかないほうがいいだろう。 |
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