71



吹上ノ滝
沢コースに入って、最初に見られる滝。
岩を乗り越え、あちこちから
見ることができる。
落差15メートル。


大きさ比較。
右の影の部分にダンナがいます。
ちょっと滝から離れているかな。
それにしても、15メートルの落差というのは
少々大きすぎ。
主な部分の落差は10メートルなさそう。


落ち口。
水が勢いよくジャンプしている。


滝つぼ。
水は透明で、意外と深いつぼだった。




ニセアイガメノ滝(仮)
ニセなんて名前つけてすみません(笑)
むしろ吹上の滝よりも落差があって、
こっちのほうに名前をつけるべきなんじゃないか
というくらいの滝だ。
急な角度の岩盤をすべるように落ちる。


登山道からのニセアイガメ。
本物のアイガメノ滝は、この上流で、
右にほぼ直角にカーブした所にある。


大きさ比較。
滝の手前の岩の上でダンナが撮影中。


大きさ比較2。
滝のすぐ手前の岩に私が座っている。
みつけられるかな?
比較で言うと落差は20メートル近くありそう。


アイガメノ滝
この沢の中の最大の滝。
なだらかな斜面をすべって落ちるナメ滝である。
最下部は直瀑になって滝つぼめがけて落ちる。
ただし、水量が少ない時だったので
そう見えただけかもしれない。
所々中間で滝つぼが作られている。
落差40メートル。


大きさ比較。
滝つぼのすぐそばに私が立っている。
ちなみにこの写真のカメラと私の位置は、
右の赤線矢印の書いてある写真でわかる。


アイガメの滝の最下段と滝つぼ。
水が多い時には、もう少し幅広になるだろう。



行者ノ滝
ガイドブックに小さな滝とあったので
期待していなかったが、
美しさから言えばこの沢一番だろう。


大きさ比較。
滝つぼ手前のテラスのような岩に
ダンナがしゃがみこんでます。
落差は10メートルないだろう。


テラスのような岩までよじ登ると
滝つぼが見える。
それほど深くはなかった。


角張った岩から流れ落ちる水。
綺麗だなぁ。



ニセ行者ノ滝(仮)
行者の滝とよく似ている。
やや小ぶり。


大きさ比較。
でも、落差は行者の滝と同じくらい。


水の軌跡が美しい。


こちらも滝つぼは浅かった。

2004/8/28  巻機山割引沢の滝たち  塩沢町
この夏の県内のの滝めぐりのメインイベントである。
百名山の一つに数えられる巻機(まきはた)山にはいくつかの登山ルートがある。そのうちの一つは以前にごくごくさわりの部分だけ行った裏巻機登山道。こちらは裏巻機渓谷の滝たちを見ながらの崖道を歩く。(レポートはこちら) 
一方、今回行ったのは、ヌクビ沢コースという登山道である。
巻機山の登山の最も一般的なルートである井戸尾根コースと出発点の駐車場は一緒だが、すぐに分かれて割引(われめき)沢の沢沿いを歩いて行く。
このコースに滝がたくさんあるということは、滝めぐりを始めた段階ですでによく知っていた。いつかは行きたい、いや、行かねばならない登山道だと思っていた。
だが、どんな本を読んでも厳しい道のりであるとしか書かれていない。ある程度の経験と知識、さらにはよい季節とよい天候が必要なコースなのだ。
そんなわけで我々はほぼ3年この滝たちを見るのを見送っていた。
だが、3年新潟の滝をめぐり続けて、ついに他に目新しい滝が無くなってしまったのである。あとはもっと高山か離島くらいしか行ったことの無い滝が無い。体力も知識も経験も全く当初から変わりは無いが、挑戦しなくてはならない状況になってしまっていた。
そんなわけで登山道入り口に立ってみると、あらあら、ずらーっと看板が並んでいる。どれもこれも経験の無いものはヌクビ沢や割引沢のコースに入ってはいけないと告げている。さすがに気持ちが引いたが、同時刻に駐車場にいたのは、なんと就学前らしい子供2人をつれたお父さん。こんなチビをつれて一般向けのコースとはいえ、巻機山を登ろうというのだ。
それに引き換え、我々は頂上までのほぼ半分くらいの所で引き返すつもりでいるのである。いくら難コースとはいえ、臆してはいられない。登頂はしないが、生まれて初めて登山届けを提出して、登山道に入った。
    
  
ほとんど遭難に関する立て看板。沢コースは初心者の入山禁止と書かれている。
登山道はすぐに井戸尾根コースと沢コースに分かれる。左の沢コースに向かい、すぐにそばの花が咲いている休耕田らしい場所に出た。田んぼの脇の踏み跡のような道を進み、やがて藪の中に入って行く。この藪の中がやたら蝶の多い場所で少々撮影に時間をとったが、だらだらと林を進み、巻き道と沢コースの分岐点に着く。この巻き道は沢が増水している時の避難道である。我々は帰りにこの道を選択した。
  
沢コースに入ってすぐに分岐。ここは右に。

  
休耕田の脇を通って林の中へ。

  
林に入って30分しないくらいで沢コースと避難道の分岐。ここは左へ。

  
ここで最初の渡渉。赤い矢印つき。
分岐点で左の沢を選ぶと、いきなり道が険しくなった。急に下る道になり、それからポッと沢に出た。割引沢である。ここから沢を見ながら登ることになるのか。
沢に出るとすぐに渡渉しなくてはならない。が、困ることもなく渡渉。水量が少ないらしい。また、岩に赤いペンキで矢印が書いてあるので、どう進めばいいのか迷うこともない。
対岸に沢に注ぎ込む綺麗な流れなどを見ていると、あらららら、とんでもない。目前の岩をロープを頼りに向こう側に進め、と矢印は言っている。まあ、こういうのは、八淵の滝あたりでも経験済みなので、笑ってクリアできる。と、いうことはつまり、こういうコースについていえば、全くの初心者ではないのか、私たちは。一応経験は積んでいるということか。
  
ロープを頼りに岩をカニ進み。
そこから先はロープやら鎖やらが連続して出てきて、急に高度を稼ぐことになる。だが、足場に困る場所でもなく、これもクリア。藪をぬけると、右手の割引沢に滝が見えた。
吹上ノ滝だ。思いのほか、楽に来ることができた。
登山道から滝の前まで行くことは簡単だった。一本ロープがたれていて、それを頼りにちょっとぬかるんだ場所を下りて行けばよかった。
滝前は、巨大な岩がゴロゴロとしていて、滝つぼにたどりつくのには、その岩をよじのぼったりジャンプしたりする必要がある。だが、できない範囲のものではない。沢も渡れる程度の細さなので、あちこちから滝を見ることができる。
滝の下流も連続した滝になっているようだ。ロープが取り付けられていてやや下流まで下りることができる。本格的な沢登りをする人たちが残していったものなのかもしれない。
さんざん滝を堪能して、さらに上流にあるはずのアイガメの滝をめざす。登山道に戻り、吹上ノ滝を巻いて行く。真横から滝を見ることができる。けっこう急な登りだが、息が切れる前に次の滝が現れた。
  
真横から見た吹上ノ滝。

  
遠くに滝が見えた!
ちょっと急だがナメ滝に見える。アイガメの滝はナメ滝のはず。これがアイガメ?
少々岩が滑るが、無理やり滝前に下りてみた。おりて、ガイドブックを開いてみると、アイガメの滝は吹上ノ滝とは向きが違う。沢が右にカーブしていてその先がアイガメということになっている。では、この滝はむしろ吹上ノ滝の一部か。
だが、ここは独立した滝としてカウントしたくなる。それほど立派な滝だ。で、仮にニセアイガメの滝、と命名。(巻機山の隣にニセ巻機山があることにちなんでます)
滝前は一枚岩が削られたなだらかな斜面になっていたので、時間もおやつの時間ということでコーヒーを沸かすことにした。
  
滝前コーヒーはお約束。

  
トイ状に岩を削って流れる沢。と、私の影(笑)

  
水流を撮影中のダンナ。なだらかな岩でしょ?
いやはや、気持ちがいい。空はスコーンと青いし、滝は清らか。滝前のスペースはいくらでも遊んでいられそうななだらかな斜面だ。しかも、一枚岩なので乾いていて滑らず、綺麗なものである。
コーヒーを飲んでいると、我々より少し若いかなーといったカップルが登山道をやって来た。こちらに来たそうな様子だったが、滑る場所を無理やり行くことはないと判断したのか、先に進んで入った。目で追うと、滝の左側の登山道から滝の上に出て、向こう側をなんだかものすごく苦労して進んでいる様子だった。
この先が難所なのかしらん。
充分すぎる休憩をとって滝を堪能し、さらに上に登ることにした。さきほどのカップルと同じコースをたどる。実はこのニセアイガメの滝の右側の斜面は登るのに楽そうな岩で、そっちから行ったほうが楽かもなぁと思っていたが、岩の上がどうなっているかなんて分からないのでちゃんとした登山道を選んだのだ。しかし、登山道はぬかるんでるうえに、急なのぼりで、この選択は失敗だったと思った。上から見たら、やっぱり滝の横の斜面を登ったほうが楽そうだったのだ。(もちろん、岩が崩れる等のアクシデントもありますので、オススメしません。)で、滝の上に出たあたりで、登山道からはずれて河原に行ってしまった。(何度も書きますが、オススメしません)
  
ニセアイガメの滝を巻く。向こう側の岩のほうが登りやすそう。
ここからアイガメの滝までは本当によく削られてなだらかになった一枚岩で、乾いている分には歩きやすいのだ。沢もトイ状に細くなっている部分などがあり、右に左に渡ることができて、登るルートに困ることは全くない。(さらに書きますが、オススメしません)
カップルがジタバタしていた場所のはるか下の沢ぞいを歩いてアイガメの滝前に出た。
これは見事なナメ滝だ。日光を反射してキラキラしている。喜んでまた撮影体制にはいる。
アイガメの滝前は大きな臼のような形で岩が削られている。その臼のふちをぐるっと歩いてアイガメの滝の左側を巻き道で登って行く。
  
赤い線の途切れている所にダンナが立っている。赤い線のように岩を登って来る。写真左手奥が下流でニセアイガメがある。写真の左下にはアイガメの滝の最下段と滝つぼが写っている。
ダンナがじっくり撮影している間に私は先に登って行った。
振り返るとダンナが小さく見える。あらまあ、ダンナのいる場所も立派な滝のとなりじゃないの。アイガメの滝のすぐ向かいにあるために見落とされがちだが、これはとんでもない段瀑だ。1〜2メートルの段が百段くらい続いて山の上から落ちている。今日は水量が少ないが、多い時はさぞ見事な光景になるだろう。
  
ずーっと山の上のほうまで段瀑。ダンナが左の真ん中あたりにいる。
アイガメの滝の横の登りはかなり急だ。ほとんど滝の角度に滝の高度を登って行く。おりから、台風の影響の強風で隣の滝の水しぶきをかぶりながらの登りになった。
アイガメの滝の上部は大きな岩がゴロゴロしている場所になる。赤い矢印が示すとおりに進路を選んで沢沿いというか、沢そのものを登ることになる。ただし、水は少ないので右に左に進路が変わっても濡れる心配はない。
30分ほど進んで、割引沢とヌクビ沢が出会う落合という場所にたどりついた。登山コースもここで2つに分かれる。割引沢を登って行く割引沢コース、ヌクビ沢を登って行くヌクビ沢コース。真ん中の岩にペンキで赤々と書いてある。
  
落合。中央の緑の山の右がヌクビ沢。左が割引沢。
当初の目的では、この落合まで行って戻るつもりだった。このあたりに最初に分かれていた避難道の合流点があるはずなのである。だが、見える範囲には無い。
地図を広げて確認すると、ヌクビ沢のほうにやや入った場所にありそうである。そこで右側、ヌクビ沢の方に進んだ。
ここで一つ書いておくことがある。
このヌクビ沢のコースも左側の割引沢のコースも下山は禁止なのだと手持ちの地図には書いてあった。だから、我々はアイガメの滝まで行って戻るつもりだった。が、アイガメの滝までのコースも登るのは楽だが、下るのはとても困難そうなコースだったのだ。そこで帰りは避難道で帰ることにしたのだ。
ヌクビ沢を左に見ながら少し藪の中を歩いて行く。いっこうに避難道の合流点は出てこない。
沢にいったん出たので、そこで昼食にしてしまうことにした。コンビニおにぎりが美味い。今まで滝でかなりたくさん休憩したので、昼食は食べるだけでほとんど休憩せずに出発。
やや進むと、右手に分岐が見えた。ペンキで避難道と書いてある。
  
これは下山時に撮影。下山時、この先に避難道の合流点がある。ちなみにこの岩には、沢下り危険と書いてある。
だけどねー、ここまでヌクビ沢を登っておきながら、行者の滝を見ないのもなんかソンした気分である。
今までの沢の登りからして、下るのは慎重になれば危険は無いはずである。それに、入り口の駐車場の看板には、割引沢コースは下山禁止とあったが、ヌクビ沢コースは禁止になっていなかったし。(そもそもどっちも初心者は登山禁止のコースなのだが)
行ってしまおう、と、決定した。括弧で閉じずに書きます。絶対にオススメはしません。
避難道の合流から先は矢印の数が減り、どう行けばよいのか迷う場面も多かった。が、ようするに上に行けばいいのである。10分も登ると鎖が見えた。
小さな滝のある一枚岩だ。別段鎖を頼りにすることもない斜面である。
  
鎖はあるが必要ない。
それほどすべりもしないので、先に登って行くと、さらに一枚岩は続いていた。沢は時々小さなつぼを岩に穿ちながら落ちている。かなり登っても一枚岩は続いている。
  
布干岩の数ある小滝の一つ。岩につぼが作られている。

  
けっこう斜面が急な部分もある。
あ、これが布干岩か。
水のながれで綺麗に磨かれた岩が永遠とも思われるくらいに続いている。おもしろい。滑り台にしたら楽しいんじゃないか。
岩の左側にきちんとロープも設置してあったが、水量が少なく、天候のよかったこの日は岩が乾いていて楽に歩いて登ることができた。
  
かなり幅広の一枚岩。

  
これは上から登って来るダンナを撮影したもの。

  
ど真ん中に私が座っています。かわる?
布干岩が終わると、また大岩の連続で進路を迷いながら登ることになる。が、女の私でも無理な場所は全くない。15分ほどで前方に小さな滝が見えた。
ガイドブックに行者の滝は小さな滝だとあったので、てっきりそれが行者の滝だと思った。ガイドブックにあった写真にも似ていたし。
喜んで滝に向かって進んで行くと、あれ、沢が左右に分かれている。さきほどの滝は右側の沢。左の沢にはもっと立派な滝がかかっていた。おお、こっちが行者の滝だ。
  
ふと首を左にめぐらすと、本物の行者の滝。
ってことは、右の沢の滝はニセ行者の滝だな(笑)。
ペンキの矢印もニセ行者の滝の方向には大きなバッテンマークがつけられて、行者の滝のほうへ向かっていた。
行者の滝は小さいと案内されていたが、そんなに小さくもなかった。綺麗なキューブ状の岩に水があたって分岐する美しい滝だ。滝つぼはけっこう沢の上部にあり、つぼを見るのには少し苦労して岩を登る必要があった。滝の前にテラスのような岩があり、滝をじっくり堪能することができた。
滝の右側から滝を巻いて登る登山道になっている。
ちょうど日光が当たっていたので、虹を期待してそこをのぼりかけたが、ものすごく急な鎖場になっていた。
これは登れない。かなりの覚悟をすれば登れなくもないだろうが、まず戻れない。
この上流にはまだヌクビ滝や不動滝もあると聞いていたが、それは諦めたほうがいいだろう。時間はもう2時に近い。そこまで行って戻れないから山頂をめざす、という時間でもないのである。
もともとアイガメの滝までが目的だったのだ。これ以上欲張る必要もない。
隣のニセ行者の滝も撮影して、戻ることにした。
さて、帰り道である。
沢ルートが下山禁止であることは間違いないと痛感した。
大岩は登るに楽なのだが、下るのはものすごく大変なのだ。
しかも矢印は下から上に見る方向で書いてある。上から下へはよく見えない。いったいどうやって登ったのかわからない状態になるのである。
一枚岩の布干岩は楽だったのだが、その他の河原は苦労して下りた。
もしこれがもっと急な斜面だったり、もっと鎖場が多かったりしたら、たしかに下れない。もし行者の滝まで行って戻ろうと思う人があったなら、それだけは心しておいてほしい。下りのほうが危険です。
なんとかがんばって避難道の合流点に到着。ここから先は避難道というからには楽なのだろう、と思って安心した。
安心してソンした。
もしかして、河原の道より危ないんじゃないか、というくらいの道だった。普通の登山道といえば確かにそうなのだが、いたる所崩れていて滑落しそうなのである。
右側の沢のほうは、沢など全く見えず、林だ。だから滑落したとしても木にひっかかって命までは落とさないだろう。が、痛いのには変わりない。滑落なんてしたくない。
左側の山の斜面に手をついて慎重に歩かなくてはならない場所もあった。
また、昔は河原だったのかもしれないような岩の連続の場所もあった。こちらは苔むしていてすべりやすい。時々岩が浮いていることもある。危ないったら仕方ない。
けっこう急な下りでもロープは設置していない。
いったいどこまで下るんだ、膝がガクガクしてきたぞ。
途中、木々が途切れている所で沢が見える場所があり、なんとかそこで息をつける。はるか下に吹上ノ滝を見ることができた時には、こちらの道を選んだ特典だ、とも思った。でも、キツイ。
  
下山途中に見えた割引沢。右手の突出した岩山はたぶん天狗岩。

  
滝らしいものを見つけ、スーパーズーム。割引沢には縮布の滝というのがあるが、位置的にこれはたぶんただの沢の流れだと思う。

  
上から見た吹上の滝。下流にも滝があることがはっきりわかる。
いいかげんうんざりしたあたりで分岐点に到着した。あとはなだらかに林の中を下るだけである。
駐車場に到着すると、おそらく井戸尾根コースから降りて来たのだろう人たちが下山の仕度をしていた。
ほぼ満車だった駐車場も隙間が多くなっている。午後3時少し過ぎ、山は終了の時刻である。
ものすごく疲れたが、気分は高揚していた。この滝たちは体験する滝である。今までにない楽しさを味わうことができた。
あとは温泉に入って汗を流して、疲れを癒そう。
かなり充実した滝めぐりをすることができた。
  

  今回写真が多いので、花の写真は2枚だけ。上の花は、花の下の部分が白い毛でモコモコしていて可愛かった。(冬さんに教えていただきました。チョウジギクという花だそうです。)(下の花はイワショウブだとabeさんに教えていただきました。)
行程
注意
この行程は今回我々が行った時のものである。
が、この日は晴天のうえ、沢の水量も少なく、残雪も全くない、とても好条件の日であったことを特記しておく。
もし沢の水が多い、もしくは雨のあとであったりした場合は、道がぬかるみ、岩場はかなりすべりやすく危険になるものと思われる。
ヌクビ沢コースを滝だけを目的に行こうと思う人も、安易に考えずに、充分な準備と、しっかりとした判断で行動してほしい。
巻機山清水登山口桜坂駐車場
 関越自動車道六日町ICを下りて国道253号を経て国道17号に出る。六日町駅方面へと右折。少し走って、案内板の国道291号という案内に従って左折。国道291号へは右折して入る。商店街のような場所を通り、少しすると道が開け、右側にセーブオンがある。昼食などを購入したい場合はここが巻機山までの最後のコンビニなので、通り過ぎないように。
国道291号は意外に民家が多く、どこから清水の集落なのかよくわからない。いきなり右側の川の方に小さく巻機山登山道と書かれた杭があり、左折するように指示している。これは見落とす可能性が大きいが、心配することはない。
もう少し走ると、清水のバス停がある。ここは少し広くなっているうえに、『巻機山の登山案内図』と『中部北陸自然歩道コース案内』の2つの大きな看板があるので見落とさない。この登山案内図で道を確かめ、桜坂駐車場まで行こう。
 桜坂駐車場はバス停からやや戻る感じで坂を上り、民宿兼食堂の「上田屋食堂」の右側の坂を上り、けっこう自動車を走らせた先にある。
まずキャンプ場の管理等駐車場というのが現れるがそこではない。さらに坂を上るとアスファルトの駐車場が左に現れる。そこに料金所があるが早朝には人はいない。
そこを通り過ぎ、さらに進み、小さな橋を渡ると砂利敷きの大きな駐車場がつきあたりにある。これが桜坂駐車場。
午前8時に到着した時点ですでに満車に近かった。
早朝には料金所に人がいないが、帰る頃にはちゃんと人がいて、一日500円徴収される。(ちなみに半日300円。バイク300円である。)
登山開始  8:10
 登山道の入り口に登山届けを出すところがある。きちんと提出しよう。登山道は初めは自動車が通れるくらい広い。すぐに『井戸尾根コース』は右、『割引沢、ヌクビ沢コース』は左という分岐になる。
避難道分岐  8:47
 時間的には30分はかからないと思う。我々は蝶を撮影するためにかなりゆっくり歩いている。右が避難道、左が沢。ここからは道は険しくなる。
最初の渡渉  8:54
 この渡渉が我々が行った行程では一番幅が広い渡渉だった。ここから吹上ノ滝まではロープが設置してある急な登り。少々冒険気分が味わえる。
吹上ノ滝  9:17〜9:43
 登山道から設置してあるロープで滝前に出ることができる。
ニセアイガメノ滝  9:49〜10:35
 吹上ノ滝のすぐ上流の滝である。吹上ノ滝からの巻き道は急な登りのうえ、ぬかるんでいた。ここでコーヒータイム。
アイガメノ滝  10:44〜11:00
 これもニセアイガメノ滝のすぐ上流だが、ほぼ直角にカーブした先にあるので、下流からは見えない。矢印の示す巻き道は沢からかなり高い位置を進むことになる。
また、もっと高い位置にも矢印があるが、これは雪が残っている時のものらしい。状況によって判断してほしい。
アイガメノ滝は滝の左側を急登する。滝から先は岩場を矢印を頼りに登って行く。
落合  11:34
 左は割引沢、右はヌクビ沢。行者の滝を見たい場合は右のヌクビ沢に行く。ここから先は矢印の数が急に減るので注意が必要である。我々は落合から少しヌクビ沢に入った所で昼食。
避難道合流点  12:06
 落合のすぐそばにあるように思われがちだが、実際にはかなりヌクビ沢を上流に登った所にある。(我々は昼食をとったので、落合から時間がかかっているが、15分ほどの距離だと思う)赤いペンキで入り口に避難道とあるのですぐに分かる。
布干岩  12:15
 乾いている時はどこからでも楽に登れるが、濡れている時はすべりやすくなりそうである。一番左がわにロープが設置してあるので、利用しよう。
ニセ行者ノ滝が見える  12:38
 矢印はほとんど無い。登れそうな岩を選択して登って行く。
ニセ行者ノ滝の前まで行くには、ちょっとがんばって岩を登る必要がある。
行者ノ滝  12:43〜13:20
 滝前まで行くにはけっこう大きな岩を登る必要がある。
ここから登頂をめざす場合は滝の右側の急な鎖場を登って行く。この先は藪道になるらしい。巻機山山頂までここから3時間強かかるらしい。
ここで下る場合、
ヌクビ沢コースは基本的に下山禁止のコースなので、最大級の注意をして下るように。特に矢印が見えづらくなるので、進路は慎重に選択する必要がある。
避難道入り口  13:43
  帰りは避難道を選択。足場が悪く、つまらない下り道である。
割引沢が見える  13:52
 下りの場合は後方になるので見落とす可能性もある。
吹上ノ滝が見える  14:37
  こちらも後方なので、見落さないように。
避難道と沢コースの分岐  14:45
 避難道は下りで1時間かかった。
駐車場到着  15:15
 お疲れ様でした。

装備としては、絶対に登山用の準備をしていかなくてはならない。まちがってもスニーカーなどでは行かないように。
ぬかるんでいる道や登山道が小さな沢になってしまっている場所もあるので、防水の登山靴は必須。
沢登りコースであるが、好天の場合は沢用の靴はいらないだろう。
軍手は必ず装備すること。沢コースでは鎖場や岩を登る場所がほとんどである。また、避難道でも手をつかなくては歩けない場所が多数あるので、軍手は必要不可欠。
水分も充分持って行くように。沢の水が飲めそうなものだが、触ってみるとぬるかった。ナメ滝が多いので、日光でぬるめられているものと思われる。念のため水分は多めに持参すべき。
食料も忘れずに。意外と時間がかかるコースである。ついでに、意外と体力が奪われるコースである。栄養補給は必要だ。
  

2005年11月秋の紅葉の割引沢はこちらから

新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板