番外

 近県の山

2012/7/28(土)  池の平湿原
夏風邪をひいてしまい、細々と培ってきた登山用の体力をすべて放出、むしろマイナスの状態になってしまった。
それでも高い山に行きたい、高山植物のお花畑を見たい、という欲求だけはある。
と、いうことで、自動車で標高を稼げる場所を求めて長野県まで来た。最初の目的地は菅平湿原だったのだが、花がほとんど咲いていなくて消化不良気味。(菅平湿原と唐沢の滝のレポはこちら) そこから修正が効いて花が見られる場所というと、思いつくのは池の平湿原しかなかった。
最初からここに来ればよかったのだが、花のシーズンは林道に交通規制がかかり、シャトルバスを利用することになる。そのシャトルバス代が惜しくて、別の場所にしたのだった。
しかし、長野まで来て花を見ずに帰るよりは、シャトルバスに乗り込んで花を楽しんだほうがいいではないか。体力がなければお金を使いなさいということなのだ、と無理やり納得して、シャトルバスに乗り込んだ。
以下、ほとんど花だけのレポですが、7月の池の平湿原です。(2010年9月の池の平湿原はこちら
        (写真が多いためにサイズを小さくしています。花の写真は、ダンナのサイトからご覧いただけます。)
紆余曲折して池の平湿原へのシャトルバスが出る地蔵峠に着いたのは午後1時50分ころ。
バスは2時の便がある。乗り込むと我々のほかに乗客は3人連れの家族のみ。
時間が半端だからね。
バスに乗ること15分ほどで池の平湿原の駐車場に到着。
バスに乗っている間、車窓から道路わきにたくさんのヤマオダマキが咲いているのが見えた。
左:ヤマオダマキ
右:クルマユリ
どちらも駐車場近くに咲いている。
今回はコマクサを見るつもりだったので、コマクサ園にじかに登って行くコマクサ歩道を利用するつもりだったが、地図を見たわりに最初から道を間違えてまっすぐに湿原に向かう池の平三方歩道に入ってしまった。
そういやぁ、たくさん人が歩いていたし、道もなだらかだったし。
左:キスゲ
右:キソチドリ
湿原に入ると、あちこちに左:テガタチドリや右:ハクサンフウロ、シャジクソウが咲いている。
14時30分 グリーン広場。
目の前に湿原が広がり、木道が伸びている。
とても気持ちがいい。
子供たちの団体がいるのか、ずっと向こう側からにぎやかな声が聞こえてくる。
湿原といっても、水っぽい感じはない。
アヤメがあちこちに咲いている。
湿原を突っ切り、三方ケ峰方面に進む。
鏡池のあたりから登りになる。
中学生っぽい団体が元気よく挨拶してくれる。
夏休みなんだなぁ。
登りといってもそれほどつらい登りではない。
ウスユキソウの姿が見られる。
あ、ハクサンオミナエシ、あ、ハクサンシャクナゲ。登りでも花いっぱいだ。
イブキジャコウソウ、タテヤマウツボグサ。
12時50分 ガレた雰囲気の登りになり、一つのピークにたどり着いた。
あれ、湿原とは反対側の方向はフェンスで仕切られているぞ。
ここがどうやら三方コマクサ園らしい。
それにしてもも、ガッチリしたフェンスだ。
向こう側を覗くと、わおっ、ガレ場にピンクの花がけっこうたくさん咲いている。コマクサだ。
左写真のダンナの位置だけフェンスの金網がちょっと開いていて、カメラのレンズを入れられるようになっている。
そこから見たコマクサ。
今まで見たコマクサよりも小ぶりなんだけど、数が多い。
ちょっとだけ時期が遅かったようで、終わりかかっている花もあったが、思っていた以上に咲いている。
標高2040メートルの三方ケ峰を通り過ぎ、湿原に降りる分岐を過ぎる。
この先にも見晴コマクサ園というのがあるはずだ。
ゆるやかに登って行く。
湿原では咲いていなかったヤナギランがこのあたりではチラホラ咲き始めていた。
とにかく暑かった。ホントに標高が2千メートル以上なのか〜。
ひいひい言って歩いていたら、ようやく左手にフェンスが見えた。15時15分。
おお、ここのガレ場にもたくさん咲いているぞ。
強固なフェンスのおかげなのか、熱心な保護のおかげなのか、とにかくパッと見だけでもたくさん咲いている。
昔はこんなフェンスがなくても、コマクサのお花畑だったのかと思うと、ちょっと心が痛む。
この先は下りなのかと思っていたら、また登る。
まあ、なだらかな登りなので風邪っぴきの私でも大丈夫なのだが、とにかく暑い。
少し登ると見晴岳2095メートルなのだが、そっちはパス。駐車場方面に進む。
ピグミーの森と書かれた樹林の中に入るとホッとする。
イチヤクソウやグンバイヅルが咲いている。
やっとピークに出たぞ。
15時30分 雲上の丘。2110メートル。このコースで一番標高の高い場所だ。
湿原が丸々全部見渡せて、爽快な気分になる。
15時42分 雷の丘2108メートル。
右はミヤマモンキチョウ。
蝶好きにはただのモンキチョウとの違いは一目瞭然らしい。
出発前に見たバスの最終は16時30分。
ここからどれくらい時間がかかるのかわからないが、バスは最終便になるなぁと覚悟を決める。
右:カワラナデシコ
しかし、思いのほか早く出発点のあずまやが見えた。15時55分。
もしかしたら、4時のバスに間に合うか?
走ったら間に合いましたとさ。
なんと増便されていて2台のバスだった。
帰りのバスの運転手さんによると、
今年はヤナギランの開花が遅れているそうで、
その代わりにまだコマクサが咲いている、とか。

埋め合わせのように行った池の平湿原ではあったが、結果的にはたっぷりの花とたっぷりの蝶が見られてものすごくよかった。
これでもうちょっとバス代が安ければなぁ。せめて一人片道300円くらいだったらなぁ。気軽に花のシーズンの湿原に行けるのに。
でも、こうでもしないと保護できないのかしらね。いつまでも花たちにはきれいに咲いてほしいから、協力しなければならないのだろう。

池の平湿原 
行きかたは、篭ノ登山のページをご覧ください。夏季は交通規制があり、地蔵峠からもしくは、アサマ2000パーク・車坂峠・池の平ホテル駐車場からのシャトルバス利用になる。どちらも片道大人500円。
東御市観光協会/湯の丸高原


新潟の滝もくじ  ときどき週末温泉族になる  んがお工房の日本百名滝めぐり  掲示板