番外

の山

2022/3/12  弥彦山(634m)     
早春の花が咲き始める季節がやって来た。
我が家の近くには雪割草などの花が豊富な弥彦山塊がある。
この時期、他の地域の山に行くのは、花好きとしてはあり得ないことである。
問題は弥彦山塊でもどの山に登るか、ということだ。
この前の週に国上山に登った。角田山は雪割草のメッカなので、混雑は必至。弥彦山は、雪の積もっている1月に登ったし。
でも、花を目当てに弥彦山には登っていない。では、弥彦にしようか。
弥彦山でも雪割草が豊富な八枚沢から登ればいいかな。いや、あそこは駐車するのがなかなか大変だ。
では、田ノ浦がわから登ろうか。銅山道入り口に駐車できなくても、田ノ浦海岸の駐車場なら絶対に駐車できる。
と、いうことで決定した。
田ノ浦コースからの登山は2008年のオフ以来である。
ただ、途中の明神沢の滝までは今年の2月6日に歩いている。明神沢の滝が凍っていないかと見にきてみたのだ。(レポはこちら)
つまり、途中までは今年2回目のコースである。
相変わらず早起きもしないで自宅を出発。
晴れているのに、どよんと霞んだ空の下、日本海へと向かった。

9時30分頃、田ノ浦海岸から林道に入り、銅山道の入り口に到着。
自動車が1台すでに止まっているが、駐車には困らない。
我々が支度をしている間にもう一台。
なんとなく3台分の合計4人がほぼ同時に出発することになった。
一人はサクサク歩いて行ったが、もう一人は我々よりも遅いペース。
どうも、山菜取りらしく、ずっと追い付いてはこなかった。
  宝川の滝(仮)などを見ながら2月とはまったく違った表情の道を楽しむ。
あの時ツララが下がっていた岸壁もすっかり緑だ。
 
 
9時56分 堰堤。
ここまでの広い道では、たくさんのナニワズを見ることができた。
堰堤の上流。
川の水量はそれほど多い感じはしない。
10時09分 すっかり雪の消えた川沿いの登山道を歩き、明神沢の滝に到着。
あ、やっぱり雪解けの水で水量が多いかな。
別沢の水も多い。立派な滝になっている。
今日は明神沢の滝の前までは行かずに、登山道に足をかける。
しっかりとした鎖がつけられていて、滝のすぐ横を登る道も以前ほど怖くない。
鎖場を登りきると、明神沢の滝の上流の流れをオウレンが眺めていた。
沢を渡り、対岸にある登山道に行く。
ちょっとどこが登山道なのか見つけづらいが、ピンクのテープがつけられているので、よく見るとわかる。
その先の緩やかな登りの斜面に気の早い雪割草が咲いていた。
目が慣れるといくつか見つけられたが、まだまだ葉っぱのほうが多い。
葉っぱは本当にたくさんあったので、花の咲く頃にはこのコースは雪割草だらけになるかもしれない。
ふと、渡って来た沢の上流のほうを見ると、とても見事な大滝があった。
落差にすれば50メートル以上はあるだろう。
もっとも、雪解けのこの時期だから滝のように見えたが、急流の沢という流れなのかもしれない。
この最下流の滝は、2008年に滝つぼまで行って見上げているが、最下流からはほんのちょっとしか見えないのである。あの時登山道を登っていたら、大瀑布だと言って騒いでいたかもしれない。(その時のレポはこちら。追補のほうにレポしています)
いよいよ残雪のある標高に来た。
全く気がつかなかったが、後ろから軽装の若者が登って来ていた。あら、半そで。
彼は本当に軽装だったが、雪を見てポケットから軽アイゼンを取り出していた。
2008年に登った時の記憶はほぼ無いのだが(こらこら)、こんなに沢を渡ったっけか、というくらい小さな沢を渡る。
弥彦山は本当に水が豊富な山である。
中には沢ごと雪に埋もれている場所もあった。
踏み跡でかろうじて沢に落ちずに済むが、ちょっと間違うとドボンと沢の中である。
11時過ぎに尾根の直登にとりついた。
この延々とひたすら登り続ける尾根は記憶があるぞ。
あ、シジュウカラがいた。
今年初めてマンサクが咲いているのを見た。
11時26分 前方に道路らしい真っすぐな壁が見えた。
が、どういうワケか踏み跡はそっちに向かっては進んでいない。
カクっと曲がって道路に沿って雪の上を歩いている。
その通りに進んでみて判明した。
あのまま真っすぐに道路に行ったら、1メートル以上ある雪の壁の上からアスファルトにダイブすることになる。
道路に下りやすい場所に続いていたのだ。
11時30分 弥彦山スカイラインに出た。
ここで我々を序盤で追い越して行った男性が戻って来るのに出会った。
どこから山頂に行けるか分からないので、戻るという。
田ノ浦コースは面白いコースですね。充分に堪能したから満足、と言っていた。
我々は、大平園地前からの階段で行けるだろうと、そちらに向かって歩くことにした。
開通前ではあるが、すっかり除雪されてアスファルトが出ているスカイラインを歩く。
プチ雪の回廊化している。
途中、9合目付近に直登できる場所があったはずなのだが、ピンクのリボンはみつけたが、踏み跡がついていないのでそこから登るのは諦めて、大平園地方向に行く。
まだ動いていないタワーとまだ開いていない売店のまえを通り過ぎる。
11時37分 大平園地前の階段に到着。
こちらの階段はきっと除雪してあって楽に登れると思いきや、雪原だった。
ロープウェイの山頂駅までの広場も雪原。
ただ、もうちょっとで運行開始のロープウェイ駅前は除雪してあって、ややホッとする。開園準備は少しずつ始めているらしい。
11時45分 ロープウェイ山頂駅。
売店に向かう階段はがんばって除雪中。半分足跡のみ、半分階段が出ている。
売店前の自動販売機はしっかり生きていて、商品も補充されているらしい。
これでトイレも使えれば満点なんだが、それは贅沢か。
11時49分 九合目。
あらまあ、山頂に向かう階段の積雪ったら、1月に登った時より多いみたいだ。
やっと横木部分だけ出た真ん中の柵でわかる。
3月だというのに、さすがに標高が高い。溶けないし、積もったし、ということだろう。
  12時05分 山頂到着。
日差しが暖かいので、けっこう大勢が昼食をとっている。
われわれは、登って来る時にロープウェイ前のベンチがよさそうだと思っていたので、そこまで戻ってから昼食。
意外にも、表参道ピストンの人以外に、ロープウェイ駅前を通って大平園地方面に歩いて行く人もたくさんいた。
 
  12時50分 ロープウェイ駅前から下山開始。
13時03分 スカイラインから登山道に入る。
13時23分 尾根の急降下終了。沢道に入る。
13時57分 明神沢の滝横の鎖場。
午後なのに、2人くらいの登山者とすれ違った。
このコースを雪のある時期に登ろうという者好き、けっこういるのだ。
下りでも明神沢の滝の上流の滝はデカい、デカいと騒ぎながら下る。
登りの時に開いていなかった花などをみつけることもできた。
 
  あとは宝川渓谷の脇を歩いて行くおなじみのコースである。
ぽかぽか陽気で、午後からは本当に花が開いてくれて、登りよりも写真撮影のために時間がかかってしまったかもしれない。
おお、カタクリがもうツボミをつけているぞ。
 
  青いキクザキイチゲも咲いている。  
  オウレンや花束みたいな雪割草も行きにはみつけられなかった花を見ることができた。
14時50分 駐車スペースに到着。
ご苦労様でした。
 

お目当ての雪割草が、葉っぱばかりで少しばかり消化不良のこの日の登山。
というか、あれだけたくさん葉っぱがあったら、花の時期はさぞすごいだろうと想像できる。
でも、滝の脇の鎖場はちょっと怖いからさ。がんばらないと花は見れないということか。
ただ、標高の高い分、花の時期がちょっと分からない。
帰り道に見ることができた花たちは、標高の低い場所のもの。つまり、雪の具合で長いこと楽しめる登山道ともいえる。
それにつけても、弥彦山。本当にすごい山である。こんな山が近くにあって、我々は幸せ者だ。

弥彦山(田ノ浦コース) 
最寄ICは、北陸自動車道巻潟東IC。国道460号に出て、日本海側に進む。日帰り温泉施設じょんのび館を右に見ながら進み、トンネルを出ると右手に日本海が見えるT字に出るが、ここは日本海の見えるほうに進むと北に進んでしまうので、左折。またトンネルに入る。日本海を右に見ながら、間瀬サーキットの前を通り過ぎ、観音様の立っている白岩とトンネルを通り過ぎて、海とは反対側の左側に田ノ浦温泉がある。少し手前から田ノ浦海岸の駐車場に入るように左折。駐車場のへりを通って、お店の角を左折。あとは川を右に見ながら坂を登って行く。
左手に休業中のレストラン、駐車場などがあるが、もう少し先まで進める。ロープで車止めしてある場所には数台の駐車スペースがあ。
そこに駐車して「旧間瀬銅山道」を登って行く。
花のシーズンには午前ニ9時ころは林道の末端の駐車スペースはいっぱいになると予想できる。田ノ浦海岸の駐車場は、合わせて100台以上とめられるので、そこに駐車して歩いてもさほど時間は違わない。
田ノ浦海岸の駐車場にはトイレはあるが、シーズンでないと開いていない可能性もあるので注意。
登山道は弥彦山の表参道の登山道とは全く違い、川沿い、岩場、滝の脇を登る、尾根急登など、かなりハードなので同じ山と思って甘くみないように。


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