(2002年)  25-2 妙高村の滝たちその3へ(2008年)



光明滝
岩盤が茶色いのは、温泉の
成分のためだと思われる。
水も白濁している。
登山道は沢から滝の高さ分
急勾配で登り、
そのまま滝の落ち口の脇を通る。


霧が立ち込めて、わずかな距離の
称明滝もけぶって見える。
幻想的である。


称明滝
滝つぼまで行けて、
そそりたつ岩盤を仰ぎ見る
ことができる。
こちらの岩盤も茶色で、
水は白濁している。


大きさ比較写真。
右側に私が立っているのが
分かりますか?
青っぽいのが私のジーンズ。
岩盤に直接触れています。



妙高の秋の花








登山道の脇に
大文字草が群生している
場所があった。
秋は楚々とした花が多い。
2003/10/5 妙高村の滝たち その2 光明滝 落差50メートル 称明滝 落差50メートル
昨年9月22日に妙高村の滝たちを見に行った。目的は百名滝の一つである惣滝ではなく、妙高山の登山道の途中にあるはずの光明滝と称明滝を見るためであった。で、途中にあった枝滝をその滝と勘違いして目前で帰ってしまった。ああ、本当に目前であった。今回行ってみて去年の私たちはバカだったと痛感した。
去年、家に戻ってから光明滝と称明滝は、本流の滝であると知り、必ずリベンジをすると誓った。そのリベンジを今回ようやく果たしたわけである。今回は入念に下調べをしてある。登山の本を読み、温泉組合で使用するらしい小屋を過ぎてさらに登るとあったし、登山をする人のサイトを見て、光明滝と称明滝の映像も手に入れた。これで間違ったら本当にバカだ。
午前10時過ぎに燕温泉の駐車場に到着。昨年より1時間早いが、それでも駐車場は満車だった。昨年と同じ脇にそれた道のスペースに駐車して、身支度を整え、いざ出発。
天候はあまり芳しくない。妙高山などは半分から上が霧に覆われている。しかし、雨は落ちてきていない。雲が切れると太陽も覗くことだし、歩いていれば晴れるだろうということになった。
 
中央にそうめん滝が見える。燕温泉のはじっこより撮影。

 
登山道にて。霧と日光と日陰がめまぐるしく動く。
滝をめぐるにあたって、日本百名滝の惣滝にご挨拶しないわけにはいかない。
幸い妙高山の登山道に行くまでの途中に惣滝を望むことができる滝見台がある。スキー場の急な坂道をひいひい言いながら登って、惣滝を拝むために脇にそれた。
霧が出ているから、滝は見えるだろうか。
不安にかられながら近づくと、ものすごい光景が目に飛び込んだ。
なんと、雲が切れて、滝の部分だけに日光が当たっている。なんだか、神様がスポットライトを当ててくれているようだ。
その景色も5分ともたない。すぐに霧が出てきて、惣滝を隠してしまった。
 
写真が未熟ですみません。スポットライトの惣滝です。

 
その数分後にはもう霧に覆われる。
今日の目的は、しかし、惣滝ではない。光明滝と称明滝を見るには登山しなくてはならない。滝見台から先はまだまだスキー場を登らなくてはならないのだ。またしても、ひいひい言いながらリフトの終点まで登り、ようやく妙高山の登山道に出た。ここから先はなだらかに登る道である。
ほどなく、去年見間違えた枝滝に到着。あれだって、立派な滝ではあるのだ。だが、本流の滝ではないから名もなき滝になってしまっているのだろう。しかし、ここでショックなことに遭遇してしまった。
な、なんとこの場所から称明滝が見えるのである。
しかも、その場所、去年もきちんと見ているのである。
「あの正面の崖から水が落ちていたらでっかい滝だよね〜」
なんて、言っていたのである。
つまり、去年の9月22日は称明滝には水はなかった。いや、あったとしても、遠くからは見えないくらいの水量だったわけである。
 
我々が去年引き返した地点から見える称明滝。かなり高い位置に見える。とにかく、ものすごくシッョクだった。
あの日、あの崖から水が落ちていれば、間違いなんてしなかったはずである。
遠くからでも、よく見える滝なのである。しかも、かなり高い位置にある滝で、まるで天から湧いているようにさえ見える。
こりゃあ、近づいて拝まなくてはなるまい。いやでも足は早足になる。
が、それも目標としていた作業小屋までだった。
 
赤倉温泉の源泉の碑が立っている。水のみ場があったが、マズイ水だった。

 
これが作業小屋。ここから沢づたいに急な登りになる。
ここまでは、本当になだらかな登っているかいないかわからないくらいの登りなのだが、ここから先がとんでもない坂になる。重力が違って思えるくらいの坂だ。ちょうど登山道の整備の最中で片方がコンクリートの坂、もう片方が作りかけの石の階段の坂になっている。どちらも急勾配であることに違いはない。しかし、もう滝が目前に見えるので、滝好きは登る。登る。登る。
手前に光明滝が落ちている。岩盤が茶色いのは、温泉成分を含んだ水のせいだろう。実際に辺り一面硫黄の臭いで時折息もできなくなる。
登山道が光明滝の落ち口の脇を通る形になるので、光明滝の滝つぼには行けない。ちょうど落差の中間の位置から滝を見るので、あまり落差がないように思えてしまう。が、実際には称明滝より落差はあるのかもしれない。こちらの滝は遠くからは見えない。
 
光明滝の落ち口から下を望む。
位置によって、さらに上にある称明滝と二段の滝のように見える場所があるのだが、この日は霧が立ち込めて、うまく撮影することができなかった。
  
これが一番よく見えた時の光明、称明のツーショット。
光明滝の落ち口から2〜300メートルくらいで称明滝の滝つぼに出る。こちらは、滝つぼまで行くことができる。
硫黄臭がプンプンする中、滝に近づくと、体中硫黄の臭いで染まりそうである。
こちらも岩盤が茶色だし、滝つぼの水は白濁している。なんだか緑色やら白いうにゃうにゃしたものが水のなかに漂っていて不気味である。これも温泉成分だろう。
湯の滝かと思われるが、やっぱり水だ。
 
称明滝の落ち口。水がぴゅんと跳ね出ている。

 
滝つぼ。浅くて、水が白濁している。
しかし、近くに温泉の出るホースがあって、ころあいの温度の温泉が出ていた。よく見るとコンクリートで固めた四角い池のような場所が゜2箇所あったが、中に土嚢がつめられて、ビニールで蓋がしてあった。滝つぼから下流にかけて、コンクリートで川自体も護岸整備されていたし、登山道も整備の途中だったし、もしかしたら、本気で野湯として宣伝し始めるかもしれない。硫黄臭プンプンの野湯である。
 
近くにあった温泉のホース。いい温度でした。
その硫黄臭の中でコンビニのおにぎりを食べて、ゆっくりと下山した。ちゃんと妙高山に登る人はこれからまだずっと先まで行かなければならないが、滝が目的の我々は山頂は目指さないのである。
この日は半額チケットのある妙高高原池の平の温泉に入ったのだが、あまりに滝の硫黄の臭いがきつくて、硫黄泉のはずの温泉がさら湯に思えてしまった。
 
 登山道はチラホラ紅葉。
交通
関温泉、燕温泉へは、国道18号線を利用する。上越市から国道18号線で長野方面へ向う。上信越自動車道中郷ICを過ぎて、関、燕温泉入り口の交差点で右折。温泉の表示かあるので間違わないと思う。快適な道なのだが、途中ゴルフ場のど真ん中を通るので注意が必要。やがて関温泉に入る。
燕温泉は、県道39号をそのまま進み、トンネルを越えてほぼ突き当たりである。大きな駐車場とは言えないが道の両脇にちゃんとたくさん駐車できるスペースがある。が、人気のある場所らしく、満車であることが多い。露天風呂利用者も多いので、少し待つと出る自動車もあるはずである。

 
燕温泉の急傾斜。

 左側に登るとスキー場
とんでもなくきつい坂道の温泉街を登り、これまたとんでもなくきつい斜面のスキー場にあるコンクリート敷きの道を登って行くと『黄金の湯』に行き着く。
ここからまっすぐに建物があるほうに登って行くと対岸に見事に惣滝が見える滝見スペースに出る。
そのままズンズンスキー場を登り(これが、とにかくキツイ)リフトの終着点まで行くとちゃんとした登山道に出る。これを登って行くと妙高山に登れる。
 
これは、スキー場のリフト乗り場のあたりから見た惣滝。滝見台からは見えない上の部分が見える。
しかし、滝はどんなに巨大でも山より巨大にはなれないと実感する。山は、おっきいなぁ。
光明滝、称明滝は、登山道に入ってからなら30分強で到着する。本文中に書いたとおり、難所は温泉街とスキー場の中、それと作業小屋を過ぎてからの坂である。かなり足に来る。


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