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そうめん滝
融雪時や雨後でない場合は、
一番左がわの滝くらいしか見えない。
何本も細い水流が出現してこそ、
そうめんという感じになる。


その一番左側の流れは、
かなり立派な滝になっていた。
もう少し緑が濃くなると、
ともすれば緑に埋もれがちな
水流なのだが。




権現滝
上流が雪で覆われているので、
いきなり出現して、
いきなり眼下に消えていくように見える。
草が無いので
覗き込めば滝つぼが見えそうだったが、
怖かったのでやめた。




惣滝
なんとか霧が薄くなった時の惣滝。
この写真でいうと、左端の見えない岩盤に
融雪時の滝が出現しているらしい。



ここまででやめた場所。
遠くに霧に隠れる惣滝。
雪のすぐそばにYouさん。
雪の下は空洞になっていて、
川がずっと下を流れている。



雪と惣滝。
厚そうに見える雪だが、
川のすぐ上は薄くなっている。





大滝
(関温泉不動滝)

定番の橋と大滝。
写真撮影している位置まで
水しぶきが来ていた。



水流を分ける岩の部分。


滝つぼ
正面の岩盤がえぐられているが、
こんな水流がぶつかっていたら
そりゃあえぐられるだろう。。





苗名滝
地震とどろく早春の苗名滝。
もうもうと滝のしぶきがあがっている。



あずまやからスタスタと滝に近づくYouさん。
他人のフリしました。



新緑と滝の落ち口。
この水量でどんどん削れて、
こんなU字型になったのがよく分かる。



あずまや側からズームで滝つぼを狙う。


あずまやの対岸から河原に下りて撮影。
滝が真正面だ。



一番近づいてここまで。
だって、岩がびしょ濡れで怖いんだもの。



吊り橋と苗名滝。
新緑の頃もまた絵になる滝だ。




Youさん提供、記念写真。



苗名滝の以前行った時のレポは、こちら
2008/5/11 旧妙高村の滝たち早春
  新潟の滝のホームページを立ち上げてかなりの年数か経つ。
継続は力なりで、つたないHPでも新潟の滝については老舗的なページとなり、県内の滝についての情報も少しずつ寄せられるようになった。
その中でも気になる情報が昨年に送られてきた。
湯沢の滝好きさんから、百選の滝である惣滝のすぐ隣に融雪時に別の滝が出現するというとんでもない情報が伝えられたのだ。
しかも、あまりの勢いで近寄れなかったという写真からすると、もしかしたら惣滝よりも水量が多い滝かもしれない。
これはぜひ見に行かなければならない。
そんなこんなで1年が過ぎ、いよいよ融雪時が来た。
ところが、である。
惣滝は昨年に遊歩道が崩れて、近寄れないままなのだ。
もっとも、その崩れた遊歩道をものともせずに、昨年のうちに惣滝の近くまで行った人もいる。おなじみ、柏崎の滝好き、Youさんである。
これほど心強い存在もなく、5月の連休時に次の日曜日に惣滝に行きましょうと約束した。
おりもおり、湯沢の滝好きさんからもメールが届き、惣滝に行って来たが、まだ融雪が進んでいないので、融雪時の滝は水量が少ないようだとの情報もあった。
1週間過ぎていれば融雪も進んだかもしれない。
富山の称名滝の隣に出現するハンノキ滝になぞられて、ハンノキ、ハンノキと呼びながら、期待しつつ妙高入りした。
ところが。
当日は朝からなんとなく雨っぽかった。
出発する時点では、我々はまだ遊歩道の土砂崩れの様子を知らないので、むしろ雨は好都合かな、と思っていた。
というのも、雨が降っていないと、他の観光客がいて、立ち入り禁止の遊歩道に踏み入って行く姿を咎める可能性もあるのである。雨であれば、人目は少ない。
しかし、だ。
国道18号をそれて、燕温泉に向かう道に入って頭を抱えた。
雨はさほどではない。だが、霧が出てきたのである。
霧は雨よりも滝好きには天敵だ。
なにせ滝が見えない。
見えなくてはお話にならない。
困ったねえと話しているうちに待ち合わせている燕温泉の駐車場に着いた。まだ妙高山も山開きはずっと先なので、駐車場はほとんど自動車が止まっていなかった。
  
Youさんは今回は奥様も一緒だった。奥様とは久々の再会である。挨拶などをして時間をやり過ごしたが、まったく霧が晴れる気配は無かった。晴れるどころか、ますます深くなってくるようだった。
仕方が無い、到着したら晴れると信じて、見切り発車するか。
それぞれ雨合羽を身につけ、出発する。
燕温泉の温泉街の中はまだよかったが、そこから先に進むなり、雪が出現した。
  
5月も半ばで雪だ。さすが妙高。遊歩道のほとんどを雪が覆っていて、その上を歩くしか先に進めない。だが、先に行った人の足跡がついているので、通れない場所ではないことがわかる。
ズボっともぐらないかどうかおっかなびっくりで進んでは土が露出している場所に立ち、また、雪が行く手をふさぐ場所についてはびくびくと雪の上を進んだ。
なにせ、右側は深い谷なのだ。ひとたび雪からズズッと滑ると谷底に落ちる。それだけはごめんだ。
    
右手は崖。
そうこうしているうちに、そうめん滝の前に来た。
おお、なんて立派な滝になっているんだ、そうめん滝。
そうめん、なんて名前をつけるのが申し訳ないくらい、綺麗な流れを作って落ちている。その下流方面にいくつもの水流が筋を作っている。
融雪時か大雨の時にしか見られない滝たちの競演である。
  
いくつ雪の上を歩いたか、さすがにちょっと困難な場所に出た。Youさんの奥様がここで待つことになった。最初から滝前には行かないつもりだったそうだ。
考えてみれば、我々にもし何かあったらYouさんの奥さんの留守番隊が警察に連絡してくれる。待っていただくのは心苦しかったが、願ってもないことだった。
    
奥様と別れて、少し歩くと、立派な吊り橋、妙仙橋が出現した。以前は冬になったら取り外されていた吊り橋だが、今は立派になって冬でもしっかりかけられている。
これを渡って、いきなりぶつっと遊歩道が無くなっていた。
げげーーーーっ。土砂崩れって、これかいーーーーっ。
私はてっきり遊歩道の一部を土砂が少し覆ってしまって、そこさえ乗り越えたらその先に遊歩道がちゃんとあるくらいの土砂崩れを想像していた。
だが、おいおい、これは山の斜面がごっそり遊歩道も含めて崩れてしまっているじゃないか。
どこからどこまでが遊歩道だったのか、想像もつかない。
だいたい、この危険きわまりない土砂崩れ現場を乗り越えることができるのか?
どうも、できるらしい。
先にYouさんが進み出した。
流れてくる水が濁っていない、とか、小石が落ちて来ていない、とか、今まさに崩れることはないだろうという予想のもと、慎重に進んで行く。
途中、これから片付けるためのものなのか、ピンクのリボンが取り付けられ、測量の跡などもあった。が、そのリポンの通りに進んで行くと進むのが難しくなりそうなので、とにかく進みやすい場所を選んで進む。
大きな岩だの、浮石だの、雪だの。
私は小心者だから、いつ土砂崩れが再び起こるかもしれないと、心臓バクバクさせながらYouさんとダンナの後に続いた。
  

  
怖すぎて、土砂崩れ現場の写真があまりありません。
ようやく土砂崩れ現場を登りつつ横切ることができ、遊歩道に復帰した。大きくため息をつく。あの土砂崩れ現場を雪解け時の雨っぽい日に横切るのは本当に心臓に悪い。死んでもいいつもりでないと、なかなか踏み出せない。ちなみに私は死んでもいい気持ちになったことは無いんだけど。
とにもかくにも、遊歩道の残っている部分に立ち、その先に進む。
進んで行くと、遊歩道のへばりついている斜面の上から無数に水流が流れ出ていた。雪解けの水もありそうだし、岩盤の途中から流れ出ている温泉らしい水流もある。それほど水の量自体は多くないのだが、なんだかそうめん滝の真ん中を歩いているような気分になる。
  
温泉の滝のど真ん中を歩く。
それに、眼下に権現滝も出現した。
うおお、滝の上流は雪でふたがされいるじゃないか。
夏場なら下草で見えない部分まで見えて、ますます地獄の底に落ちていくように見える。だが、スコーンと崖になっているので、おいそれと身を乗り出して滝つぼを見る気にもなれない。
それからさらに進んで行くと、金属のポールに鎖がつけられて手すりになっていたはずの場所来た。ここを登れば惣滝はすぐそこだ。
ところが、金属のポールは折れたり抜けたりしていて全く頼りにならない。
右側は雪と、その隙間から見える崖と川。ここに落ちたら死ぬなぁ。すぐ下流は権現滝だし。
手すりがないので、とにかく川がわには行かないようにして慎重に登った。
  
雪の穴の下は川と温泉。
登った先に、ああ、惣滝が見える。
見える?いや、待て、見えない。霧だぁぁぁぁぁ。
目にはうっすらと白い水流が見えるのだが、霧が濃くてカメラの焦点さえ合わない。
しかも、惣滝と我々の間に残雪がどっかりと横たわっていた。
川の蓋のように川全体を覆っているのだが、マズイことに雪解けが中途半端に進んでいて、川の真上は空洞になっている。
果たして、その蓋の強度がどれほどかさっぱりわからない。
いっそ真冬であれば雪を信じて上を歩いて滝に近づくことができたかもしれないが、5月の半ばではどれほど雪が薄くなっているのか、素人の我々には推測がつかなかった。
目の前に惣滝がある。
しかし、霧の向こうだ。
それに、惣滝のハンノキ滝である融雪時の滝は、もう少し近づかないと見えない。その存在さえも雪の手前では分からないのである。
なんてこった。妙高の5月を甘く見ていた。
恐らく、GW中に行った湯沢の滝好きさんの時は、もう少し雪が厚く、右手の岩盤にくっついて川の流れなども見えなかったのだろうと推測される。
この状態では、無理はできなかった。
やむなく、霧が晴れて少しだけ惣滝を見られるようになるまで待って、そのまま引き返した。
  
滝を撮影した場所から振り返った図。赤い矢印が遊歩道。もくもく出ているのは霧ではなくて、硫黄温泉の煙。つまり、硫化水素じゃあ〜りませんか。危険だったらありゃしない。
帰りももちろん土砂崩れ現場できゃーきゃー騒ぎ、雪の上を歩いてはきゃーきゃー騒ぎながら戻る。いや、騒いでいたのは私だけですけど。
駐車場に行き着いて、Youさんの奥様と合流。長らくお待たせしました。
    
  
やっと妙仙橋が見えてきた。
    
  
イワナシが咲いていた。雪もあとわずか。妙高の早春である。
さて、惣滝前に立てなかったので、意外に時間があまってしまった。往復で1時間半ほどである。まだ午前中も午前中。これからどうする、ということになった。
せっかく妙高に来たのだから、妙高の滝でも回りましょうか。
すぐ近くの関温泉にある不動滝と、お約束の苗名滝を巡れば惣滝でのストレスも解消されるだろう。
と、いうことで、関温泉不動滝へ。

関温泉から赤倉に向かう県道396号の前には冬季通行止めの表示があった。だが、不動滝の入り口は曲がってすぐの場所にあるし、どうやら雪があるわけでも落石があるわけでもないらしい。そのまま自動車て進む。
進んで行くと、山菜取りなのか、意外にも道路に何人も人が歩いていた。
不動滝上にかかる橋のたもとで駐車。
橋の上から滝を見ると、おいおい、なんと人が滝前にいるではないか。ということは、遊歩道は歩けるわけだ。
滝よりも植物に興味のあるYouさんの奥様をおいて、我々とYouさんで遊歩道の階段を下りて行く。
下りて行くと、かなりのお年寄りが滝を見終えて登って来るのにすれ違った。さらに下りて河原近くまで行くと、またしても年配の方が、「滝の前まで行けましたよ。私でも行けたから大丈夫。道は無いけど、木につかまって行けます」と教えてくれた。
こんなおばあちゃんが行けたっていうんだから、滝については百戦錬磨を自負する私には楽勝だろう。
そう思って、道の途切れている場所に来てみたら。
げげ、とんでもない。
子供の背丈くらいの崖になっているじゃないか。
そりゃあ、木があって、ある程度の足場になっているので、慣れた人なら泥もつけずに河原まで行けるだろう。でも、あのおばあちゃんたち、傘さしていたんだけど・・・
泥がつくのがイヤだったので、かなりジタバタして河原まで下りた。うーむ、観光目的のおばあちゃん、あなどり難し。
大滝前に来てみたら、さすがに融雪時である。水量が多く、大爆発状態だった。
優美に見えるはずの2条の水流は手前のハネる水流があまりにも勢いがよすぎて真ん中に岩がある程度にしか見えない。
正面の岩盤を削りつくすような勢いで水が落ちて、ほぼ直角に曲がって川となって下って行く。その下流は雪が覆いつくしていて、まだまだ真冬だった。
水しぶきがすごいのでそれほど長居できない。早々に退去。途中で、このあたりにもイワカガミが沢山咲いているのだと気がついた。

続いて、苗名滝である。
県道396号が通れれば、赤倉、池の平を通って短縮ルートで苗名滝に行けるのだが、通行止めとあってはいったん国道18号に出なければならない。
しかも、苗名滝への県道も杉の原スキー場まではいいとして、その先冬季通行止めの可能性がある。心配しながら進むと、しっかり道のわきに流しそうめんののぼりが立っていた。流しそうめんは苗名滝遊歩道入り口にあるお店の看板メニューだ。こののぼりが立っているということは、そのお店も開いているということ。ならば苗名滝まで行けるということである。
駐車場まで進んで行くと、意外にも何台も自動車が止まっていた。
雨がちな天候なのに、さすがに百選の滝である。観光客は多い。
今度はYouさんの奥様も一緒に苗名滝の遊歩道を歩きだした。
  

    
砂防ダムの吊り橋を渡り、砂防ダムを越えて遊歩道を歩く。そして、苗名滝が吊り橋の向こう側に見えた時には、やはり感嘆の声が出た。
さすがにこの季節の苗名滝である。地震滝の名まえが恥ずかしくない、とどろくばかりの水音をたてて、落ち口の岩盤を壊しそうな勢いで落ちている。
滝前には数人の観光客がいたが、我々が見ているうちに帰ってしまった。と、みるみるYouさんがあずまやのある場所から大岩を乗り越えて滝のそばまで突進して行く。おいおいおい。止める間もない。あとからまた観光客が来たので、他人のフリをしてやりすごす。
そうこうしているうちに本当に人がいなくなったので、このあずまやで昼食にしてしまうことにした。
  
Youさん提供。観光地でカップラーメン作る人。
昼食を食べ終えて、よし、それでは滝つぼが見える対岸の遊歩道まで行ってみよう、ということになった。無理をしないYouさんの奥様をおいて、3人で遊歩道を登って行く。
そこには先客がいて豪快に落ちる苗名滝の滝つぼを撮影していた。その人が帰って行くのを待って、「ここから滝前に下りられる」と遊歩道から河原に下りられそうな場所を示す。
下りられるとあれば、行かないわけにいかないでしょう。
3人で斜面をすべり下り、岩ゴロゴロな場所を歩いて、滝つぼ直前まで行った。
おお、苗名滝の滝つぼのレベルが自分の目線。
がんばれば滝つぼに手をひたせそうな場所まで行ったのだが、あと数メートルというところで水しぶきが凄すぎて行くのをためらってしまった。その先は岩がびしょ濡れで普通の靴では滑りそうなのである。
ここまで来たら充分だ。
充分に融雪時の滝を堪能した。
遊歩道に復帰して、行く時には気がつかなかった椿の大群生に目を奪われながら駐車場に戻る。
  
赤い点々が全部ツバキ。ものすごい数だった。
もどりしな、立派な三脚、立派なカメラ、立派な機材を背負い込んだ熟年の人たちとたくさんすれ違ったが、どうやら撮影のバスツアーが到着したようだった。これにかち合わなくてよかった。
駐車場のカフェでYouさんご夫妻にお茶などご馳走になり、滝の情報交換などして、今回の滝オフを締めくくった。
目的の惣滝のハンノキ滝は見れなかったのだが、妙高の早春の滝に触れることができて、大満足のオフだった。

今回は自己責任において危険な崩落現場を通過して行きましたが、いつ崩れるか本当に分からない状態なので、単独では絶対に立ち入らないようにしてください。
単独でない場合でも、家族に惣滝に行くことを言い置いたうえ、自動車などにその日の予定を書いたものを置くなど、遭難に遭った時のための準備をして望んで下さい。
もしこの記事を読まれて惣滝に行って事故があっても、んがお工房は一切責任を負いません。
交通
関温泉、燕温泉へは、国道18号線を利用する。上越市から国道18号線で長野方面へ向う。上信越自動車道中郷ICを過ぎて、関山の交差点で右折。温泉の表示かあるので間違わないと思う。快適な道なのだが、途中ゴルフ場のど真ん中を通るので注意が必要。やがて関温泉に入る。関温泉の休暇村妙高のあたりで左折すると赤倉に向う県道396があるので、そちらに左折。下っていくと、橋が出て来る。その下に大滝がある。
燕温泉は、県道39号をそのまま進み、トンネルを越えてほぼ突き当たりである。大きな駐車場とは言えないが道の両脇にちゃんとたくさん駐車できるスペースがある。が、人気のある場所らしく、満車であることが多い。露天風呂利用者も多いので、少し待つと出る自動車もあるはずである。

苗名滝は上信越道妙高高原ICを降り、国道18号を長野方面に進む。杉野沢交差点で杉野沢に向かって右折。妙高杉ノ原スキー場をめざす。遊歩道へは、道の端々にたっている流しそうめんの看板をたどって行けばいい。細い道だが、心配はない。
流しそうめん屋の前に15台ほどとめられそうな駐車場、その手前の河原に広い駐車場がある。

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